2013 Fiscal Year Annual Research Report
職場のincivilityと、労働者の健康・医療安全リスクに関するコホート研究
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25893208
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
津野 香奈美 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30713309)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 労働衛生 / メンタルヘルス / ストレス / 医療安全 / 離職意思 / 産業保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、海外の先行研究で職場におけるincivility(非尊重度)が従業員の精神的健康に影響を及ぼすことが明らかになっているが、わが国では、これらの要因による従業員への健康影響についての検討は皆無である。相手の意見に関心を示さない等の非尊重的態度は職場でよく起こりうるものであるが、それらが離職意思、生産性、医療安全などにどのように影響しているかも、十分に明らかにされていない。
そこで本研究では、職場におけるincivilityが職員の健康や医療安全に影響を及ぼすかを明らかにすることを目的として、前向きコホート研究を実施している。研究期間1年目である今年度は、職場におけるincivilityが職員の健康や医療安全に影響を及ぼすか明らかにすることを目的として、初回の質問紙調査を実施した。関西地方の社会医療法人の職員を対象に調査を行ったところ、600名から回答が得られた(回収率:91.2%)。また、定期健康診断結果、並びにインシデント・アクシデントレポートデータの提供を依頼して同意が得られた職員分のデータについて、調査施設より提供を得た。横断データのみの解析ではあるものの、職場におけるincivilityは心理的ストレス反応や離職意思と正の関連を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インシデント・アクシデントレポートデータの提供にかなり時間を有し、また健康診断結果が紙での保存であったため、電子データ化にもかなりの時間を有したものの、平成25年度に予定していた初回質問紙調査は完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は前向きコホート研究であるため、来年度に縦断調査の実施する。健康診断結果データとインシデント・アクシデントレポートデータに関しては、提供を依頼してから実際に提供されるまでにかなりの時間を要するため、調査対象施設と協議し、負担の少ない方法を検討する。成果は国内外の学会、論文等で発表し、最終報告書に取りまとめる。
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