2013 Fiscal Year Annual Research Report
脚運動エントロピー解析による歩行適応能力定量評価法の開発
Project/Area Number |
25893223
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
栃木 祐樹 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70711737)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 医学 / 歩行機能 / リハビリテーション / 運動器障害 / 医工学 |
Research Abstract |
ELLIS (Entropy of Leg Linkage Inertial Signals) analysisは,歩行動作の生理的周期間変動に着目し、適応能力という観点から歩行機能の定量評価を試みる新しいコンセプトの解析手法である。我々が行った過去の研究では、歩行動作の生理的周期間変動の指標である『脚運動エントロピー』が歩行機能低下をを良好に反映することが示された。本プロジェクトの目的は、このELLISコンセプトの臨床応用を可能とし、超高齢化社会に突入したわが国の国民的問題といえるロコモティブシンドロームのスクリーニングや医学的介入の効果判定に貢献できるような、実際的手法を確立することである。 研究課題採択の初年度である平成25年度は、主に新研究環境におけるデータの収集・解析の体制整備が行われた。具体的には、まず動作計測機器(ワイヤレス慣性モニターシステム)の新規購入が行われた。続いて、この装置の試験運用を行うと同時に、効率的なデータ解析を行うためのソフトウェア購入とコンピューター環境の整備も行われた。また、生体被検者からのデータ収集を行うための施設内倫理委員会の承認も受け、平成26年度の研究課題実施に向けての基礎環境の整備はほぼ完了したといえる。 上述の環境整備と平行して、本歩行解析手法の基本を構成する「歩行時脚運動エントロピー値は歩行速度上昇とともに直線的に増加する」というコンセプトの立証研究が、既存データ(前任施設であるアイオワ大にて収集)を用いてなされ、その成果が8th Combined Meeting of Orthopaedic Research Societies (2013/10/13-16, Venice, Itary)および日本臨床バイオメカニクス学会(2013/11/22-23、神戸)で発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトに支給された予算を用いてのワイヤレス慣性モニター動作計測システムの新規購入は、諸手続きの遅れの影響で3ヶ月近くを要したが、購入後の試験運用は順調で、適切なデータ採取が可能であることが確認された。新しいコンピューター環境においても、データ解析プログラムは適切に機能することが確認された。また、研究計画に対する施設内倫理委員会の承認も得られ、初年度計画で示された「データ収集開始」にまでは至っていないものの、全体の進行度は「おおむね順調」といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、研究計画に則ってデータの収集・解析を実施し、同時に研究成果の学会発表と論文化に向けての準備も推進していく予定である。
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