2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25893229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
池田 悠至 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (80713453)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | CDK4/6阻害薬 / 子宮体癌 |
Research Abstract |
【①CDK4/6阻害薬の有用性の検討②CDK4/6阻害薬と既存抗癌剤との併用療法の有用性の検討に関して】 CDK4/6阻害薬に関し、PD0332991(Pfizer)の提供を申請しているが、時間を要する見込みのためPfizer社公認の供給元であるSelleck社よりPD0332991を購入しMTTアッセイより研究を開始した。今後マウスを用いた実験の際に購入粉末では予算が高騰するため継続して供給交渉を進めていく。また、LEE011(Novartis)は現在PhaseI試験が行われているCDK4/6阻害薬である。PD0332991に加え、こちらの薬剤も現在供給交渉下にある。 【③CDK4/6の治療有効性を評価するバイオマーカーの同定に関して】 まずバイオマーカー候補探索のために子宮体癌(類内膜腺癌)120検体のTissue microarrayを作成した。CDK4/6関連蛋白であるCyclinD1およびBeta-cateninの発現を解析した所、CyclinD1の強発現は7例、Beta-cateninの強発現は5例に認め、統計学的有意な予後との関連は得られなかった。またそれぞれのDNA変異と予後との関連を調べた所、CyclinD1の変異を有する2例は死亡症例であり、Beta-cateninの変異を有する9症例は全例生存症例であった。以上よりCyclinD1およびBeta-cateninの発現に関して予後に相関せず、CDK4/6阻害薬のバイオマーカーとしても有用性は低いと考えられた。 2014/4に開催されたAACR annual meeting 2014にて乳癌患者に対するPD0332991のPhase2 trialの最終結果が発表され、CyclinD1の強発現は効果予測因子にはならず、エストロゲン受容体(ER)陽性症例に顕著に有用であるという報告がなされた。子宮体癌の類内膜癌においてはほぼ全例においてER陽性のため、CyclinD1の上流経路かつERのシグナル伝達を受けるとされるPI3K経路やP16、また下流経路にあたるpRb、細胞増殖マーカーとなるKi67なども含め、今後バイオマーカーの探索を広げる予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
企業認可下での薬剤供給が遅れ、結果的に薬剤を使用した研究開始が遅れた。今後は購入した薬剤を使用し研究を遂行する予定。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定に従いMTTアッセイ、Westernblotting、FACSなどを用い、DCK4/6阻害薬の有用性の検討を行う。既存の抗癌剤(特にプラチナ製剤)との相乗効果の有無の評価を行う。また治療効果予測因子となるバイオマーカーの探索を引き続き行う。
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