2014 Fiscal Year Annual Research Report
クリティカルケア領域における看護師の身体抑制に埋め込まれた臨床の「知」
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25893254
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
中野 真理子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60712312)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | クリティカルケア / 身体抑制 / ベテラン看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
クリティカルケア領域では、セーフティマネージメントの観点から「必要悪」として行われている身体抑制について、ベテラン看護師の看護の実践プロセスを明らかにすることで、看護師の経験の持ち方に影響を与えることができると考え、10名の看護師に半構造的面接を行い、質的に分析した。 ベテラン看護師の看護実践プロセスの特徴は、それまでの経過と今後の予測の幅広い分析から今の患者を捉え、皮膚の内側に入り込み患者の思いを察知し、それに応えるケアが行われていた。抑制による二次障害予防や心身の苦痛を緩和しながら、看護の方向性は、常に病状の回復でもある抑制解除へと定まっていた。後輩に対してはロールモデルとして行動を選択し、リーダーの時は全体を考え安全を最優先し、病棟全体の看護の責任を持つ当事者としての行動をとっていた。 家族に対する看護実践プロセスは、まず家族の思いを推測し、家族のショックを吸収することを行っていた。次に抑制について理解を促すことに重きを置き、だんだんとケアへの巻き込みを進め、家族が“尻込み”から“前向き”になれるよう支援的に関わっていた。その実践プロセスに通底するものは、抑制を受け入れざるを得ない家族の理解と「抑制しといてください」と言う家族の言葉に甘えないという貫く信念であった。患者の不安の軽減や闘病意欲の維持のために家族サポートを取り込みながら、同時に家族が患者の回復に役立てているという実感から、さらに自信へとつながるように働きかけ、患者と家族の相互作用を促進させていた。 ベテラン看護師の「抑制解除」の臨床判断には、「視線」「目つき」「笑顔」「頷きや手を握り返すタイミング」など、個々の看護師の格率に導かれた患者の認識の捉え方があった。 今後は、より多くの格率から確からしい臨床判断を明らかにしていきたい。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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