2013 Fiscal Year Annual Research Report
母体搬送コーディネーターの助産師配置に関する課題と教育プログラムの開発
Project/Area Number |
25893255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
中野 美穂 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00554031)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 母体搬送 / コーディネーター / 周産期 / 助産師 |
Research Abstract |
本研究の目的は、周産期医療システムにおいて、助産師を母体搬送コーディネーターとして活用するために、周産期の臨床経験と知識に加えてさらに必要なスキルを検討し、そのための教育プログラムを開発することである。 平成25年度は1)先行研究・既存の統計データの整理および調査枠組の検討、2)予備調査、3)調査票の作成を実施した。 1)先行研究・既存の統計データの整理および調査枠組の検討 周産期医療システムに関わるコーディネーターに関する文献・実績等の統計資料、周産期に関連した救急搬送の報告・資料等、周産期に関する医学、看護学分野から救急、消防機関に関する分野まで文献検討を行った。 2)予備調査 全国においてコーディネーター設置状況の調査を行った。コーディネーターを設置しているのは14都道府県あり、コーディネーターを担う職種は助産師、看護師、医師、事務職等の多岐にわたっていた。コーディネーターが行う業務の内容は転院搬送のみコーディネートする自治体と転院搬送・119番通報ともにコーディネートする自治体とに分かれていた。次に医師、救急隊に対し、実際に体験した周産期事案の対応への問題点、困難を要した点、コーディネーターに求める能力、役割についてインタビューを行い、得られた内容をカテゴリー化した。 3)調査票の作成 これらから得られた情報をもとにコーディネーター、医師、救急隊各々用の調査票を検討し、研究協力者であるコーディネーター、医師、救急隊から調査票ならびに調査方法に関して意見聴取を行い、調査票を完成させた。今後、所属機関の倫理審査委員会の承認を得た後、全国のコーディネーター設置機関、母体搬送を受入れている周産期センター等の医療機関、消防機関に調査票を郵送にて配布予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、実質上研究のスタートが11月であり、それから5ヵ月で周産期医療システムに関わるコーディネーターに関する文献・実績等の統計資料、周産期に関連した救急搬送の報告・資料から周産期医療システムの現状と課題を把握した。周産期に関する医学、看護学分野から救急、消防機関に関する分野までの文献検討を行い、それに基づいて調査内容の検討、調査票の作成を行っため、それらの過程に時間を要した。平成26年度の方向性と調査計画はできており、前半は調査を中心に実施し、後半は調査結果を分析し、学会発表や論文作成に取り組めると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)データ収集と分析 所属機関の倫理審査委員会の承認を得た後、調査票を配布し、データ収集を行う。その結果から母体搬送コーディネーター、医師、救急隊がそれぞれコーディネーターに求める能力、役割について量的分析、考察を行う。 2)周産期医療システムにおける母体搬送コーディネーターとして助産師に必要な教育プログラムの開発 調査により得られた結果をもとに、コーディネートの質の向上を目的とした教育プログラムを検討する。教育プログラムの作成にあたり、周産期医療システムに実際に携わるコーディネーター、医師、救急隊等に調査結果を提示し、現場からの意見聴取を行う。 3)研究成果報告 論文作成と関連学会にて研究結果の発表を行うとともに、学術雑誌への論文投稿を行う。研究協力者と意見を交わしつつ、教育プログラムを冊子としてまとめ、関係機関へ冊子の送付を行う。
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