2014 Fiscal Year Annual Research Report
キラルな軸を有するらせん状に運動するロタキサン分子の創製
Project/Area Number |
25893259
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 智博 東京理科大学, 薬学部, ポストドクトラル研究員 (20711667)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | ロタキサン / 水溶性 / リン酸化酵素 / チオール |
Outline of Annual Research Achievements |
軸分子の両端に亜鉛サイクレンを有する水溶性ロタキサン分子の合成に成功した。合成した分子に対し、リン酸化酵素としてヘキソキナーゼ及びグリセロキナーゼを用いてリングのリン酸化を試みたが、リン酸化反応は進行しなかった。そこで、リングにアジド基を導入し、これらの酵素の基質であるグルコース誘導体及びグリセロール誘導体をhuisgen環化反応により導入した。しかしながら、本ロタキサン分子においてもリン酸化反応は進行しなかった。そのため、リングにチオール基を導入した新たなロタキサン分子の合成を行い、チオールー亜鉛サイクレン間の配位結合をリングの駆動力とした新たなロタキサン分子を合成した。現在、本化合物においてその挙動を解析中である。 一方、アゾベンゼンの光異性化によるリングの運動を検討した。その結果、紫外光(365nm)の照射によりアゾベンゼンが異性化することで、シクロデキストリンが移動し、CD及びNMRスペクトルが変化した。一方、可視光(465nm)の照射によって、これらのスペクトルは可逆的に変化した。これらのことから、当初の予測通りアゾベンゼンステーションは分子の併進運動を検出するのに重要なユニットであることが明らかとなった。 また、当初の目的であるキラルな軸を有するロタキサン分子の合成は達成できなかったが、金属錯体をストッパーとする水溶性ロタキサン分子の報告は希少であるため、このようなロタキサンの合成法を確立したことは、分子機械の創出研究において新たな知見を与えるものであると考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)