2013 Fiscal Year Annual Research Report
ドナー骨髄細胞の増殖能と軟骨分化能および関連non-coding RNAの同定
Project/Area Number |
25893277
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
目良 恒 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 博士研究員 (70650381)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 関節軟骨修復 / 骨髄細胞 / 軟骨分化能 / non-coding RNA |
Research Abstract |
本研究では、ドナー間で差があると考えられる骨髄細胞の増殖能と軟骨分化能について、その軟骨分化過程でのnon-coding RNAによる様々な遺伝子発現調節の関与を検討し、さらにそれら細胞の性質の指標となるマーカーの探索を目的としている。 昨年度の研究実施によって、臨床試験に先立つ前臨床試験から分与された骨髄(一部購入骨髄を含む)が、既に目標とするN=20のサンプルサイズとなった。得られた細胞の増殖能と軟骨分化能についての実験は継続中であるが、目的とする検体もほぼ9割がた得られ、それらの生化学試験・免疫染色についても順次解析中である。増殖期のbFGF添加による効果、および継代を重ねることによる骨髄細胞の変化については、ほぼ従来の報告通りの結果であることを確認したが、ドナー間のばらつきの程度について本研究で十分なサンプルサイズが得られたことにより確認できた。 また増殖期のbFGFに対する反応性を含めた軟骨分化能との相関についてドナー数例を抽出し、軟骨分化誘導前の骨髄細胞のRNAプロファイリングをncRNAを中心に最先端 microarrayシステムで網羅的に解析した。それらから軟骨分化過程における遺伝子発現調節に関与する可能性が考えられる既知のncRNAを抽出した。 更に関連する研究として、本実験で得られた基礎データを素に、scaffold free軟骨様 細胞シートを作製し平成 25 年度日本軟骨代謝学会(Itokazu M, Mera H et al. 日本軟骨代謝学会発表;京都 2014年,3月)などで報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨髄ドナーに関して、目標としていたサンプルサイズを満たした。増殖および軟骨分化誘導実験は一部継続中であるが、目的としていた検体もほぼ9割がた得られており、それらの生化学試験・免疫染色についても順次解析中である。また軟骨分化誘導前の細胞のRNAプロファイリングをncRNAを中心に最先端 microarrayシステムを用いて網羅的に解析し、増殖期のbFGFの反応性を含めた軟骨分化能との相関について、遺伝子発現調節に関与する可能性が考えられる既知のncRNAを抽出し、ほぼ予定通りの進捗と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
抽出したncRNAについて定量PCRによる検証を行う。また継続して細胞増殖・軟骨分化誘導実験をおこない、得られた検体の生化学試験・免疫染色を行う。さらに、RNAプロファイリングに用いなかった検体に関してもRNA抽出から続くRTおよび定量PCRによる検証を行い、ドナー数を重ねることでより信頼性の高いncRNAの絞り込みが可能になると考えている。
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Research Products
(4 results)