2014 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患に伴う内蔵痛の発症メカニズムにおける免疫調節因子とTRP受容体の相関
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25893280
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
王 勝蘭 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (50714359)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | TRP / IBD / DSS / TNBS / 内臓痛 / 大腸炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.TNBS誘発性大腸炎モデルに伴う内臓痛の発症メカニズムを検討した。(1)TNBSモデルラットにおける腸管H2O2が増加する昨年度の結果を踏まえ、H2O2とTNBSモデルに伴う内臓痛との関連を調べた。抗酸化剤であるN-acethyl-cysteine(NAC)の静脈投与はTNBSモデルラットの疼痛行動を抑制した。また、腸内H2O2投与はラットの内臓痛を誘発することを確認した。これらの結果からH2O2はTNBSモデルラットに伴う内臓痛発症のひとつの原因であることが示唆された。(2)TRPA1のアンタゴニストであるHC030031を投与し、TNBSモデルおよび腸内H2O2投与ラットの内臓痛を抑制することを明らかにした。TNBS大腸炎ラットにおいて、過酸化水素はTRPA1チャネルを介して内臓痛覚過敏を誘発することが示唆された。 2.TNBSおよびDSSモデルラット結腸組織におけるTRPチャネル発現変化を検討した。TNBS投与後一日目およびDSS投与後7日目のモデルラット結腸を取出し、免疫染色法およびin situ hybridization法を用いて TRPA1とTRPV1の発現を解析した。モデルラットにおいてTRPA1の発現上昇が認められた。 3.結腸運動と腹部内臓痛発症の関連について検討した。腸管に分布するアセチルコリン受容体(mAChR M3)やセロトニン受容体(5-HT3R)などのアゴニストを腹内投与し、ラットの結腸運動の増加とそれに伴う疼痛行動の増強が確認された。また、これらの受容体各々のアンタゴニストである4-diphenylacetoxy-N-methyl-piperidine methiodide(4-DAMP)またはオンダンセトロンは増加した運動と痛みを抑制させた。一方、TRPA1のアゴニストであるAITCを腸管投与し、ラットの結腸運動と内臓疼痛行動の増加が確認された。4-DAMPはAITC誘発運動と疼痛行動を抑制した。TRPA1が腸管運動を介して内臓痛発症に寄与する可能性を示唆した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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