2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルスプロモーションの理念に基づく「いじめ防止プログラム」の実践と評価
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25907018
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Research Institution | 東京都立篠崎高等学校 |
Principal Investigator |
佐久間 浩美 学校法人了徳寺大学, 健康科学部看護学科, 准教授
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | いじめ防止プログラム / ヘルスプロモーション / いじめ防止プロジェクトチーム |
Research Abstract |
研究の目的は、いじめ防止に有効なプログラムを作成することである。まず、いじめについての要因を分析し、その後、生徒主体の「いじめ防止プログラム」を作成し、実践、評価を行った。いじめについての分析は、中学生及び高校生1286名を対象に、いじめについて「悪口やからかい嫌なことをいう」「遊ぶふりをして、たたいたり、けったりする」「仲間はずれにしたり、無視をする」など過去1年間の経験を問い、いじめの加害者、被害者、傍観者、仲裁者、相談者の役割を得点化した。また、いじめに関係する心理的要因として、「攻撃性、共感性、自己主張性、自己管理スキル、セルフエスティーム、ソーシャルサポート、ストレス反応、いじめ容認、いじめをとめる自己効力感」を挙げ、いじめの役割と心理的要因について検討した。その結果、いじめ加害者は攻撃的で、いじめを容認する傾向があり自己管理スキルが低いこと、いじめ被害者はソーシャルサポートが少ないこと、いじめ傍観者は、いじめを止める自己効力感が低く、いじめを容認する傾向があること、いじめ仲裁者は自己管理スキルが高く、いじめを止める自己効力感が高いこと、いじめ相談者は共感性が高いこと、などが示された。これらを踏まえて「いじめ防止プロジェクトチーム」では、いじめを減らすためには、いじめ仲裁者やいじめ相談者が増えることが重要であると考え、架空のいじめを扱ったDVDを制作し、いじめを傍観するのは加害者的役割と同じであり、いじめられている人の相談にのることやいじめを止める勇気を持つことが必要であると訴えた。活動としては、いじめ防止の集会を開きDVDを上映して、いじめ防止のリーフレットを配布することや、仲間の話を聴くピアカウンセラー活動を行うこと、また、いじめ防止の通信を定期的に発行することなどを行った。このような取り組みを1年間続けた結果、1年後には、いじめの加害者や被害者が、統計的に有意に減少したという結果が得られ、プログラムの有効性が示唆された。今後、研究成果を日本学校保健学会等で発表する予定である。
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Research Products
(1 results)