2012 Fiscal Year Annual Research Report
障がい者グループによるユニバーサルデザインの視点でのつくり込みの特性について
Project/Area Number |
25920002
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Research Institution | 穴吹デザイン専門学校 |
Principal Investigator |
松尾 兆郎 穴吹デザイン専門学校, 教務部, 主任
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Keywords | ユニバーサルデザイン / 障がい者 / 歩行環境 |
Research Abstract |
本研究では、市街地歩行環境を対象とし、グループとして健常者と同等の五感の能力を有する視覚障がい者、聴覚障がい者、車いす使用者の障がい者グループと、健常者のグループの各3名が、それぞれ主体となってほぼ同じプロセスに沿って、UDの視点で「つくり込み」を行うという実験を行った。各グループの提案に対し、内容の「着眼点」とユニバーサルデザインの7原則に照らした「配慮ポイント」を比較し、障がい者グループによるつくり込みの特性を明らかにし、今後の健常者によるつくり込みへ活かすことを目的とした。 1、視覚障がい者への音(聴覚)による配慮があり、個人の日常の問題点からの視点があった。 健常者によるつくり込みでは、特に視覚障がいへの配慮を意識していくことが大切である。障がい当事者の日常の不便さを理解すること、例えば、疑似体験だけでなくつくり込みの作業中、常に意識できる状況をつくることが必要と思われる。 2、原則5(ミス・危険)への配慮不足があった。 「うっかりミスや危険につながらない・・」ことは、障がい者において配慮されにくい項目として注意したい。 そして、健常者によるつくり込みでは、見落とされがちであることが示唆された。 本研究は、つくり込み特性を得るための予備的実験と捉えている。得られた結果には、個人的経験・能力差の影響の問題が含まれており、今後は障がい者グループの例数を増やしていくことで、より信頼度の高い特性を得られるようにしたい。また、高齢者や子供、外国人、ベビーカーのグループについても同様の方法でつくり込みの特性を得ていきたい。
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