2013 Fiscal Year Annual Research Report
シスプラチン投与時の腎機能障害の発現に及ぼす要因の解析とその予防対策の確立
Project/Area Number |
25929013
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 昭夫 岐阜大学, 薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | シスプラチン / ハイドレーション / 腎機能障害 |
Research Abstract |
岐阜大学医学部附属病院(以下、当院)にて過去1年間にCDDPを含む抗がん剤治療が行われた入院がん患者448人を対象として腎機能低下に関する解析を実施した結果、RIFLE-risk (Ccr低下率25%以上)発現のリスク因子として利尿剤マニトール使用(P=0.041)を見出した。本研究では、この結果をもとに、当院耳鼻咽喉科におけるCF療法(CDDP(80)+5-FU(800))のハイドレーションレジメンを修正しその有効性を検討した。なお、本研究を実施するに当たり当院倫理委員会の承認を得た。腎機能はScr値からCockcroft-Gault式にてCcrを推測し、腎機能障害をRIFLE規準に準じて評価した。調査期間は2013年3月から2013年10月までの8か月間に当院耳鼻咽喉科病棟に入院しCF療法が施行された患者とした。 男性22名、女性4名の計26名であり、平均年齢は60.8歳であった。ハイドレーションレジメン変更前後で年齢、性別、体重、ALB、Scr、BUN、Ccr、CDDP doseに差はなかった。ハイドレーション変更前後でRIFLE-riskの発現率は51.3%(20/39)から7.7%(1/13)へ有意に低下させることができた(P>0.05)。以上の結果より、本研究により確立された輸液条件により、当院耳鼻咽喉科におけるCF療法(CDDP (80)+5-FU (800))の腎機能障害の発現率を大幅に減らすことができた。本研究成果は、海外論文に投稿準備中である。
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