2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26000003
|
Principal Investigator |
中畑 雅行 東京大学, 宇宙線研究所, 教授
|
Project Period (FY) |
2014 – 2019
|
Keywords | ニュートリノ / 超新星爆発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、スーパーカミオカンデ(SK)にガドリニウム(Gd)を導入し、中性子を同時計測することによって、超新星背景ニュートリノの観測を目指すことである。Gd導入のためには、SKタンクの改修、Gd溶解装置およびGd水循環・純化装置の製作・設置、放射性不純物の少ない硫酸ガドリニウムの製造をおこなう必要があった。平成30年度にタンクの水漏れを止める改修工事をおこなったが、本年度も水漏れの有無を確認する測定を行い、有意な水漏れがないことを確認した。Gd水循環・純化装置の主要な機器は平成29年にインストールされていたが、本年度は処理能力を60トン毎時から120トン毎時にあげる改造をおこなった。これにより50,000トンのタンク水を17日間で1循環させることができ、純化能力を向上させた。また、Gd水循環・純化装置に硫酸ガドリニウムを保持したまま他のイオンをとることができるアニオン/カチオン樹脂(これらは本研究によって開発された)を令和元年12月までに充填し、それから令和2年2月までSKの純水を循環させる試験を行った。その結果、従来どおりの90mを超える透過率を保持できることを実証した。Gdはまず0.01%の濃度でSKへ導入する予定であるが、そのための硫酸ガドリニウム八水和物14トンを本年度に製造した。この硫酸ガドリニウムにはウラン・トリウム系列の放射性不純物に対して厳しい条件が課せられているが、条件が満たされていることを各製造バッチごとに確認した。また、Gdをタンクの底部から層流に乗せて徐々に導入できるように、タンク底部の出水管の出口に水平方向に水流を変えるキャップを2月中旬から下旬にかけて取り付けた。これらの準備により、Gdを導入する準備がすべて整った。(本来ならば令和2年4月からGdを導入する予定であったが、新型コロナウィルスの影響で導入を行う作業者、研究者が神岡へ来ることができなくなり、延期することとなった。)
|
-
[Journal Article] Development of a method for measuring rare earth elements in the environment for future experiments with gadolinium-loaded detectors.2019
Author(s)
S. Ito, T. Okada, Y. Takaku, M. Harada, M. Ikeda, Y. Kishimoto, Y. Koshio, M. Nakahata, Y. Nakajima, H. Sekiya
-
Journal Title
Prog. Theor. Exp. Phys.
Volume: 063H03
Pages: 1,7
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-