2014 Fiscal Year Annual Research Report
災害文化形成を担う地域歴史資料学の確立―東日本大震災を踏まえて―
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26220403
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
奥村 弘 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (60185551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 晃 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (00344375)
今津 勝紀 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (20269971)
伊藤 昭弘 佐賀大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20423494)
佐々木 和子 神戸大学, 地域連携推進室, 地域連携研究員 (20437437)
内田 俊秀 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (30132822)
久留島 浩 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 館長 (30161772)
市澤 哲 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (30251862)
矢田 俊文 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40200521)
高橋 修 茨城大学, 人文学部, 教授 (40334007)
胡 光 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (50612644)
町田 哲 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (60380135)
松下 正和 近大姫路大学, 教育学部, 講師 (70379329)
白井 哲哉 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70568211)
阿部 浩一 福島大学, 行政政策学類, 教授 (70599498)
小林 准士 島根大学, 法文学部, 教授 (80294354)
板垣 貴志 神戸大学, 人文学研究科, 特命講師 (80588385)
平川 新 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (90142900)
天野 真志 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (60583317)
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Project Period (FY) |
2014-05-30 – 2019-03-31
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Keywords | 地域歴史資料学 / 災害文化 / 東日本大震災 / 災害資料 / 史料保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる平成26年度は、宮城において被災地フォーラム「ふるさとの歴史と記憶をつなぐ」を開催した。このフォーラムは、東日本大震災の現状把握と課題整理を目的とし、岩手・宮城・福島での被災資料保全と震災記録保全の現状と課題について議論を行った。 また、独立行政法人国立文化財機構に協力して、国立文化財機構アソシエイトフェローの研修会を神戸大学で開催したほか、同文化財機構及び歴史資料ネットワークが主催した「全国史料ネット研究交流集会」に共催した。これらで、阪神・淡路大震災発生から20年にあたり、阪神・淡路大震災以降の資料保全及び地域歴史資料論の展開と東日本大震災後の現状について議論を行った。 国際的な研究交流としては、国立文化財機構に協力してイタリアの文化財防災に関する視察・調査を実施し、現地の文書館・美術館・修復研究所の関係者と意見交換を行った。また、第3回国連防災世界会議に参加し、国内外の文化財防災等に関する情報収集や意見交換を行なうとともに、同世界会議のパブリックフォーラムでは、研究代表者が本研究の成果に基づき報告した。 地域歴史資料学の研究成果としては、主催の研究会を4度開催した。また、東日本大震災被災地をはじめ、2014年8月豪雨災害被災地などにおいて、分担者・協力者による被災歴史資料調査保全を実施・支援した。その実践的な災害対応を踏まえて、研究会等で災害時の資料保全論の検討を行った。さらに阪神・淡路大震災から20年、中越地震から10年を迎えるにあたって、災害資料研究のこれまでの蓄積を踏まえて、災害資料の保全活用や災害記憶の歴史化などについて議論を深めた。そのほかの研究活動としては、阪神・淡路大震災以降の地域歴史資料保全に関するデータ整理を進めたほか、市民と協同した地域歴史資料の保全・活用実践事例の調査(おもに兵庫県淡路市、朝来市、小野市)などの研究を展開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の発生によって、この震災に関わる現状と課題への対応が継続している。この大災害への対応及び阪神・淡路大震災以降の資料保全及び地域歴史資料論の展開を通して、資料保全活動の全国的な広がりや、災害資料保存に対しての認識をより深めた。また、東日本大震災被災地をはじめ、各地での資料保全の実践的研究について、当初計画以上の共有をはかることができた。また、その現状と課題について整理し、当初予定になかった国立文化財機構の文化財防災推進事業に、その成果を反映させることができた。 また、平成26年度は、イタリアの文化財防災等についての視察調査・意見交換を行なうなど、国際的な研究交流を行なった。この調査で得られた成果を踏まえて、平成27年度にはイタリアの研究者を招聘して国際比較を視野に置いた研究会を開催する予定である。これを通して他分野の専門家等を含めて、資料保全及び文化財防災に関する国際比較研究を進め、海外にも情報発信する予定であり、当初計画以上の進捗をはかることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、初年度に行なわれた東日本大震災の現状把握と課題整理による基本的な方向づけを基礎に、分担者が中心となって各グループにてデータ収集、分析を進める。 全体としては、東日本大震災におけるデータ収集と研究を進め、東日本大震災による倒壊戸数の多い茨城県及び、放射能被爆を抱えている福島県を対象として、広域災害・津波・放射能被爆といった新たな課題について、東日本大震災の中間まとめのフォーラムを開催する。 また、平成27年度は、昨年度のイタリア文化財防災に関する視察調査での成果等を踏まえ、国立ローマ中央修復研究所から研究者を招聘し、国内外の研究者や資料保存機関関係者、デジタルアーカイブ関係者を対象として、文化財防災情報システムに関する研究会を神戸・仙台で開催する予定である。これを通して、資料保全及び文化財防災に関する国際比較研究を進め、海外にも情報発信する。 本研究では、東日本大震災で被害を受けた歴史資料を効果的に保全していくための経験と、そこから析出された方法論を研究に反映させていくために、阪神・淡路大震災以降の地域歴史資料をとりまく状況についてのデータ収集を継続して行なう。さらに研究分担者を中心に、文化財保存科学研究者や図書館・博物館関係者等とも協力して、資料の科学的な保存方法を地域歴史資料学に組み込むための研究や、地域歴史資料の活用に関する方法論的研究も継続して行なう。災害資料(震災記録)についても、阪神・淡路大震災、中越地震、東日本大震災の被災地の図書館関係者や研究者等と、その収集保存・活用に関する方法論的研究を継続して行なう。 神戸大学コアグループは、定期的な検討会を持ち、研究課題の整理と検討を行う。なお、本科研研究のホームページの開設、ニュースレター・報告書の発行を通して、研究成果に関する情報を発信する。
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Research Products
(74 results)
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[Presentation] 神戸市の戦災2015
Author(s)
佐々木和子
Organizer
兵庫区歴史講演会
Place of Presentation
兵庫公会堂(兵庫県)
Year and Date
2015-03-29 – 2015-03-29
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[Presentation] 広瀬の歴史をたどる2014
Author(s)
平川新
Organizer
広瀬市民センター「ひろせ塾」
Place of Presentation
広瀬市民センター(宮城県)
Year and Date
2014-12-07 – 2014-12-07
Invited
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[Presentation] 災害の歴史から学ぶこと2014
Author(s)
平川新
Organizer
みやぎ高校PTAフェスティバル2014
Place of Presentation
日立システムホール仙台(宮城県)
Year and Date
2014-10-23 – 2014-10-23
Invited
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[Presentation] 伊和大神と古代の宍粟2014
Author(s)
古市晃
Organizer
宍粟市民大学 宍粟学講座(宍粟市教育委員会)
Place of Presentation
山崎防災センター(兵庫県)
Year and Date
2014-09-06 – 2014-09-06
Invited
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