2016 Fiscal Year Annual Research Report
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26240021
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
谷藤 学 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (60197530)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 顔認識 / 倒立効果 / 下側頭葉視覚連合野 |
Outline of Annual Research Achievements |
高次視覚野の顔細胞が符号化する図形特徴を定量的に記述するアルゴリズムを確立した。このアルゴリズムでは、数多くの自然画像の断片の中から細胞が符号化する図形特徴を探索する。これによって先験的な知識を導入することなく図形特徴を推定することが可能になった。一般的に画像には数多くの可能なパターンがあって、自然画像はその中のごく一部でしかない。その意味では、自然画像断片の中から探索することは、自然画像の局所的なパターンが図形特徴であるという制約を設けていることに対応する。探索の基準は、画像断片が細胞の様々な物体像に対する応答を説明できるかどうかにおいた。具体的には、(1)様々な物体像に対する顔細胞の応答を記録し、(2)一方でテンプレートマッチングによって、各自然画像断片のそれらの物体像に対する応答を推定する。最後に、(3)実際の顔細胞の応答と自然画像断片の応答の間で最も高い相関のある画像断片を選択する。このようにして得られた図形特徴が、細胞が符号化している図形特徴であると見なしてよいかを検討するため、図形特徴の探索に用いなかった物体像に対する神経応答をどれだけよく推定できるかを検討した。この手法を65個の顔細胞に適用し、611個の視覚刺激物体の応答について、神経応答との間に統計的に有意な相関(0.55±0.08)を持つ図形特徴を抽出することに成功した。また、推定された図形特徴は、推定に用いられなかった611個の視覚刺激に対する応答についても有意な相関(0.48±0.09)を示した。今後の課題として、様々な向きの顔を含めた刺激セットについて神経応答を計測し、顔の不変的な認識の解明に向けて研究を進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
顔細胞の図形特徴を推定するアルゴリズムは完了した。計算時間がかかることは大きな課題であったが、GPUを使ったプログラムの高速化を図ることでこの問題を解決することができた。神経細胞の応答をベースにしたアルゴリズムなので、神経応答がどれだけあるかが決め手になるが、実験上の制約で多くの視覚刺激応答を計測することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本報告書をまとめる段階において、神経活動を記録するための計測チェンバーに改造を加えることで、計測技術を格段に向上させることができ、必要な量と質の神経活動記録データを得ることが可能になり、計測が現在進行中である。十分な計測データが得られた段階で開発されたアルゴリズムを適用し、顔の不変的な表現の問題について、研究を推進する。
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Research Products
(11 results)