2015 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔制御代理ロボットにおける自己投射性と被自己投射性の実現法とその効果の定量化
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26240030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舘 すすむ 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任研究員(名誉教授) (50236535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南澤 孝太 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科, 准教授 (10585623)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / テレイグジスタンス / 自己投射性 |
Outline of Annual Research Achievements |
(A) 代理ロボットの「自己投射性」における身体の形状や動特性の差異の影響と,その整合手法について,“代理ロボットの形状が人と異なっても,操縦者と代理ロボットの動特性の感覚的整合により「自己投射性」が達成される” という仮説を立証するため,下記の細目について研究を進めた.(A4) 自己受容感覚の知覚特性に基づく動特性の感覚的整合手法の開発:前年度に実施した(A3)自己投射性における操縦者と代理ロボットの動特性の差異の定量化に結果を受けて,自己投射性の成立に支配的な動特性パラメータにおいて,人の動特性をロボットの動特性に合わせることを試みた.
(B) 代理ロボットの「被自己投射性」における容姿や動特性の差異の影響と,その整合手法について,“代理ロボットの容姿が人と異なっても,動特性の整合により代理ロボットを通して操縦者の感情や個性が遠隔地の他者に伝わる「被自己投射性」が成立する”という仮説を立証するため,以下の細目について研究を進めた.(B2) 操縦者と対面者のインタラクションにおける自己投射性と被自己投射性の変容:昨年度実施した(B1)被自己投射性における対面者から見た代理ロボットの容姿と動特性の定量化においては,操縦者の容姿や行動は記録されたものであったが,本年度の本項目では,操縦者と対面者が同時にVR 環境に没入し,操縦者はバーチャル代理ロボットの眼をとおして対面者のリアルタイム3D 映像を視認し,対面者は操縦者をバーチャル代理ロボットの姿として視認する状況を構築し,その環境下で,被自己投射性の度合いを変化させることで,自己投射性と被自己投射性の相互作用の効果を調べた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VR空間内に、代理ロボットの操縦者に加えて、対面者も入り情報空間を共有するシステムの構築を行い、自己受容感覚の知覚特性に基づく動特性の感覚的整合手法の開発や操縦者と対面者のインタラクションにおける自己投射性と被自己投射性の変容など、研究計画の各項目について、研究項目を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究費が大幅に削減された状況から、(C) 「自己投射性」と「被自己投射性」を両立した代理ロボットの設計と実証の項目は、別の開発予算を申請して、そこで行うこととし、この研究の中心的な研究項目である、(A) 代理ロボットの「自己投射性」における身体の形状や動特性の差異の影響とその整合手法、及び、(B) 代理ロボットの「被自己投射性」における容姿や動特性の差異の影響とその整合手法の研究を主軸として実施してゆく。
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