2016 Fiscal Year Annual Research Report
オントロジーとデータマイニングに基づくインテリジェントサービス開発基盤
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26240036
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山口 高平 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (20174617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 秀尚 文教大学, 情報学部, 准教授 (00397853)
森田 武史 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (50590171)
稲田 周平 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (60327715)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | テキストマイニング / 人型ロボット / 製品組立作業 / スマートグラス / 故障診断 / オントロジー / ワークフロー / 業務ルール |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(a)データ/テキストマイニングの検討を進め、(b)人型ロボットによる組立作業支援サービスを高度化し、(c)スマートグラスによる機器故障診断サービスを新たに実施し、評価する事を計画した。 (a)については、機械学習アルゴリズムにより生成された学習モデルによるパラメータ値の予測,成否の判別,画像の識別などを実行するため,機械学習関連タスクを実行するROSモジュールの設計,実装,評価を行った.まず,機械学習タスクをはじめとする人工知能関連タスクの業務プロセス中への組み込みについて検討を行った.次に,機械学習タスクの実行に関しては,分類や識別を行うための機械学習アルゴリズムを「分類学習モデル生成タスク」と「分類予測ラベル付与タスク」に分割する設計とし,実装を行った.さらに,ROSモジュールとして実装した6種類の代表的アルゴリズムを用いて,画像のカテゴリ分類問題に適用し,評価を行った. (b)については,ロボットの効果的活用を生産性の側面から次の2つの観点で実施した。前者は,ロボットの担当作業をロボット自身が自律的に改善するもので,その基礎的内容を前年度から考察した。また,後者は,ロボットを導入する以前にロボットの効率的作業をプランニングするもので,今年度は、強化学習を利用して組立順序を自動生成する問題を取り扱い、さらに,ロボット等の製造設備に対して投資を行う際のリスク分析の方法論についても付加的テーマとして研究を進めた。 (c)については、ユーザの抱く質問を4タイプ(手順、状況判断ルール、そのルールの根拠、用語の意味)に分け、各タイプの質問回答に必要な 4 種類の知識、①ワークフロー、②業務ルール、③ルールの根拠、④オントロジーを体系化し、高速道路の ETC レーン故障対応業務をケーススタディにして、故障診断サービスを実装し、ユーザから良好な評価を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ/テキストマイニングについては、適応的機械学習アルゴリズムの選定ツールの開発を目標としたが、機械学習アルゴリズムを「分類学習モデル生成タスク」と「分類予測ラベル付与タスク」に分割し,ROSモジュールとして実装した6種類の代表的アルゴリズムを用いて,画像のカテゴリ分類問題に適用し、選定ツール開発基盤を構築できた。アルゴリズムは6種類とまだ少ないので、増やす必要があるが、ほぼ80%達成できた。 人型ロボットによる製品組立作業支援サービスについては、ロボットが製品組立作業を自律的に改善することを目指し、作業レイアウトや組立順序まで改善し、さらに、深層強化学習により自律的に部品を把持する基礎研究を目標としたが、前者はIE理論の改善により対処し、後者は、深層強化学習を実装し、基礎的な考察は行ったが、画像による物体理解の部分がネックになることが判明し、この点が次年度の課題となったが、ほぼ90%達成できたといえる。 スマートグラスによる機器故障診断サービスについては、オントロジーに基づくQA機能をスマートグラスに実装し評価することを目標としたが、オントロジー以外に、ワークフロー、業務ルール、業務ルールの根拠も知識として与え、これら4種類の知識を統合し、ユーザ(作業者)の質問に総合的に回答する機能を実装し、ケーススタディを通して、高い評価が得られたので、120%以上達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、①Webページからリンクトデータ生成、②オントロジーアライメント、③データ/テキストマイニング、④AI基本タスクからAI複合タスク合成などのメソッド群を統合した、インテリジェントサービス開発基盤を開発し、以下の4種類のサービス:(a)自動車エコ運転支援サービス、(b)行政オープンデータを利用した地域活性化サービス、(c)人型ロボットによる教育支援サービス、(d)人型ロボットによる組み立て作業支援サービスの実装と評価を通して、インテリジェントサービス開発基盤を評価することを目的としたが、昨年度は、新たなサービスとして(e)スマートグラスによる機器故障診断を加え、5種類のサービスの実装と評価を通して、開発基盤を評価することを目的とした。 最終年度の平成29年度は、上記の研究目的で述べた、③に関しては、センサから得られる画像,音声(テキスト),動作ログデータから,動作に必要なパラメータ値,判定などを得るための機械学習アルゴリズムを選定するツールを開発し、④に関して、セマンティックWebサービスに基づいて、入出力制約に基づき、要求目的から、AI基本タスク群を半自動的に合成する手法を開発し、①②③④を統合し、インテリジェントサービス開発基盤を完成させる。 また、インテリジェントサービスについては、(d)について、これまで,IE理論およびAI理論を融合して,生産性の側面から,強化学習を利用して効率的な製品組立順序を抽出する,および、ロボットが自律的に動作改善を行う事に従事してきたが、本年度は,製造現場における実践的評価を加えるために、前者の作業プランニングための計画技術と後者のオペレーション段階での改善技術の進展を図るとともに、両者を統合化して,人型ロボットが組立作業を支援する仕組みを考察する。
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Research Products
(13 results)
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[Book] 人工知能とは2016
Author(s)
松尾豊(編), 中島秀之, 西田豊明, 溝口理一郎, 長尾真, 堀浩一, 浅田稔, 松原仁, 武田英明, 池上高志, 山口高平 , 山川宏, 栗原聡
Total Pages
264
Publisher
近代科学社