2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトGWASデータに基づいたAhr発達神経毒性の分子機構の解明
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26241016
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
掛山 正心 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (30353535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 正太 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (50448495)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経科学 / 社会医学 / トランスレーショナルリサーチ / 有害化学物質 / 行動神経内分泌学 |
Outline of Annual Research Achievements |
【出生コホート研究】 出生コホートにおいて、臍帯血、新生児運動の解析や乳幼児視線計測を実施し、また出生後の唾液をした(出生時、1ヶ月齢、10ヶ月齢時、1.5歳時、3歳齢)。同時に母親に対して、生活習慣、胎児愛着尺度、エジンバラ産後うつ病尺度、うつ病自己評価尺度、愛着行動チェックリスト等の質問し検査を行った。また、臍帯血試料の一部を用いて重金属類の測定を行った。
【マウス毒性実験】 マウス実験については、行動柔軟性課題と競争環境課題を行い、脳組織を回収し、開発した蛍光LMD法で遺伝子発現解析を行った。ダイオキシン受容体関連遺伝子については、遺伝子欠損マウスの準備を行うとともに、その作用を増加させる遺伝子変異体をマウス個体に導入に成功し、解析を開始した。また、ダイオキシン曝露マウスと社会環境操作マウスとの表現型の比較を行い、その類似性に関する総説をまとめた。
【ヒトゲノム解析、臍帯血・唾液中miRNA発現量解析】 臍帯血の一部を用いて、血液中マイクロRNAの網羅的発現解析を行った。特に行動成績と重金属類濃度、PCB類濃度との相関について解析を進めた。重金属類濃度とPCB類濃度については、一般的には相関が高いという経験的知見が多いが、今回の我々の試料ではあまり相関はみられなかった。すなわち、臍帯血中のPCB濃度と行動指標との間には相関はみられたが、重金属類濃度と行動指標の間には強い相関がみられなかったことから、PCB類と行動指標との関連性がより強いことが示唆された。同じく、それぞれに特異的な発現量を示すマイクロRNAが複数見出されており、この点について、今後さらに詳細な解析を進める予定である。一部資料については定量的PCRによる発現量検証も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コホート研究を担当する研究分担者が平成27年度から休職(留学)の計画が浮上した(9月)。よって、本年度は動物実験の割合を減らし、コホート研究を推進させることで対応した。結果的にコホート研究の全体計画の多くを完了させることができたので、全体としては計画変更はなく、目的を完遂できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度からは動物実験に集中する。
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Research Products
(4 results)