2014 Fiscal Year Annual Research Report
気候・社会・生態系の変動に対応した感染症リスク評価モデルの構築
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26241025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福士 謙介 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授 (30282114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 徹 山形大学, 農学部, 准教授 (10302192)
渡辺 幸三 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (80634435)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感染症 / リスク評価 / 途上国都市 / 洪水 / 気候変動 / 国際研究者交流 / インドネシア / フィリピン |
Outline of Annual Research Achievements |
【タスク1:洪水起因の感染症リスクに関する定量的なモデルの構築】 アジアの途上国都市を想定し,気候変動や社会変動の影響を考慮した洪水起因の感染症リスクに関する定量的なモデルを構築するために,まず,研究グループで改良を重ねてきたモデルの検証を行った。その改良点として,不顕性感染のリスクを家庭内二次感染モデルに組み込むことを試みた。次に,モデル構築に必要な土地利用や地理・社会に関するGISデータ,気候変動予測データ,表面流出データ等の整備状況から,インドネシアのバンドン市とベトナムのフエ市を研究対象地域に選定し,現地カウンターパートとの協力体制を構築した。 【タスク2:健康リスクの保健経済学的分析のための指標開発】 従来の障害調整生存年(DALY)のコンセプトは維持しつつ,保健経済的な解析に用いることができる,より実用的な指標を開発するため,DALY算出の基礎となるデータの整理とその再考を行った。具体的には,対象地域における感染症の死亡率と罹患率に関する統計データと,感染症の症状(重篤さ,継続期間)に関する情報,そして,時間価値に関するデータが必要であるが,このうち感染症の症状に関する情報,時間価値に関するデータを収集するためのアンケート調査のプロトタイプを作成し,バンドン市で試行的に調査を行った。 【タスク3:昆虫媒介感染症リスク評価のための疫学生態モデルの開発】 フィリピンのメトロマニラとターラック市において、多くの昆虫標本と環境データの収集を行った.ターラック市で採取した21個体のネッタイシマカのデングウイルス陽性率をRT-PCR法で調べた結果、1個体も感染していなかった.また,メトロマニラの5市236バランガイにおいて、各土地利用特性(例、商業地、水域等)や出水強度などの36環境変数に基づいて、デングリスク(デング患者数/人口)を再現性高く予測する回帰モデルも作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を変更する必要はない。当初の計画通りに,研究を推進する。
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