2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Five Hundred Lohan Painting of Daitokuji from the Viewpoint of Social Life of an Art Object
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26244010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井手 誠之輔 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (30168330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 聖哲 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00242074)
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (00416265)
北澤 菜月 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 研究員 (10545700)
増記 隆介 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (10723380)
畑 靖紀 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部文化財課, 主任研究員 (80302066)
谷口 耕生 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (80343002)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 五百羅漢図 / 越境移動 / 作品誌 / 大徳寺 / 国際シンポジウム / 唐絵 / 近現代の美術史学 / 受容史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①故郷での誕生、②日本への渡海、③唐絵としての規範性、④宝物から美術へ、⑤戦後の美術史学という五つの画期を定め、大徳寺本の規範としての機能と受容の様相を比較検討した。最終年度にあたり、6月2日と3日に九州大学文系箱崎キャンパスで国際シンポジウムを開催し、2日間で300名を超える参加者があった。日・英・中の三カ国語による発表要旨集とウエッブサイトを作成・構築したほか、研究成果を日本語で報告書にまとめて年度末に刊行した。 ①は、第一セッションの中心テーマ。井手が基調講演を行い、北澤とユキオ・リピット氏が司会し、分担者の増記、招聘した陳韻如、ユージン・ワン、梅沢恵、リチャード・ヴィノグラード、西谷功、フィリップ・ブルーム各氏が発表し、ホェイピン・パン女史と分担者の谷口がディスカッサントとなって包括的な議論を行った。 ④⑤⑥は、第二セッションの中心テーマ。石守謙氏による基調講演に続いて、板倉と陳韻如女史が司会し、王静霊、ユキオ・リピット、ミンナ・トルマ各氏と分担者の塚本が発表、大徳寺本を分有するボストン美術館とフリーア美術館からナンシー・バリナーとスティーブン・アリー両氏がディスカッサントとして参加した。 日本や東アジア世界における受容史を検討する②③については、シンポジウム前日に九州国立博物館の協力を仰ぎ(畑担当)、九博本や知恩院本をはじめとする朝鮮や宋元時代の関連作例の特別拝観を実施し、シンポジウム翌日のエクスカーションでは、中津市教育委員会の協力をえて耶馬溪羅漢寺等を見学し、中世における受容史の重要な一例を確認し、さらに総合討議においても近代以前に羅漢図研究を行った養飼徹定の役割を議論した。 総じて、大徳寺本の越境移動を起点とする作品誌の議論を通して、今後さらに広く文物の越境移動とその受容史をめぐる包括的な議論が美術史学の重要な研究手法として、認知される契機となった。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(45 results)