2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本語諸方言のプロソディーとプロソディー体系の類型
Project/Area Number |
26244022
|
Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
窪薗 晴夫 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 教授 (80153328)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 陽介 一橋大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (00549008)
松森 晶子 日本女子大学, 文学部, 教授 (20239130)
木部 暢子 人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, 教授 (30192016)
久保 智之 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (30214993)
上野 善道 東京大学, 人文社会系研究科, 名誉教授 (50011375)
松浦 年男 北星学園大学, 文学部, 准教授 (80526690)
新田 哲夫 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (90172725)
佐藤 久美子 長崎外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60616291)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | プロソディー / 日本語方言 / アクセント / イントネーション / 類型論 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は日本語諸方言および周辺言語のプロソディー(アクセント、イントネーション)について下記の調査研究を行った。 1.鹿児島方言については各種疑問文のプロソディーを分析し、それぞれの文型において語アクセントがどのような影響を受けるかを考察した。2.沖縄県宮古島市の池間方言と沖縄県多良間村の多良間方言のプロソディ―を分析し、語アクセントが文レベルでどのように実現されるか考察した。3.琉球の宮古諸島の多良間島や八重山諸島の諸方言には、モーラや音節といった単位に加え、それより大きい韻律単位の存在を認める必要があることを、実地調査のデータに基づいて論じた。4.北九州方言については、基礎データとなる自然談話の文字化と音声の整備を行った。また、疑問文のタイプと応答の「はい・いいえ」の関係について分析した。5.小林市、長崎市、天草市方言における不定語を含む文のプロソディーの記述を行った。また、高萩市方言の文末イントネーションの記述を行った。 6.福井県北部地方において、最も北端にある三型アクセントであることを確認し、これらの体系調査を行い、特異な音調交替の現象を記述した。7.鹿児島県甑島の平良方言(中甑島)と桑之浦方言(上甑島)のアクセントを臨地調査し,その二型アクセントの仕組みをほぼ明らかにした。8.波照間方言のアクセントは3型アクセントではなく、より多くの型が存在するのではないかという疑問を解決するために、さらなる調査を実施した。9.韓国語慶尚東部方言については複合語のプロソディーがリスナーの意味解析にどのような影響を及ぼすかを考察した。10.三重県紀北町方言については、句中の接続形における「式」特徴の実現パタンや、句の枝分かれ構造の反映の程度について考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度予算の一部を次年度に繰り越したことにより、所期の研究計画をほぼ達成することができた。方言調査についてはほぼ予定通りに行い、また学会発表についても計画通りに実行した。
|
Strategy for Future Research Activity |
方言調査をさらに進めるとともに、方言間の異同と、日本語と他の言語との異同を分析していく。
|
Research Products
(20 results)