2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Eastern Asia Society Culture
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26244042
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
角谷 常子 奈良大学, 文学部, 教授 (00280032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 敏雄 大阪教育大学, その他, 副学長 (00184672)
市 大樹 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (00343004)
佐川 英治 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (00343286)
渡辺 晃宏 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 副所長 (30212319)
李 成市 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30242374)
寺崎 保広 奈良大学, 文学部, 教授 (70163912)
藤田 高夫 関西大学, 文学部, 教授 (90298836)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 石刻 / 文字文化 / 東アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度であるため、これまでの研究をとりまとめて公表することが最も大きな目標であった。公表の方法として1つは、広く一般市民を対象とした公開シンポジウムを開催すること、もう1つは論文集の刊行である。前者は9月8日に奈良大学にて「日本の石文を語る」というテーマでシンポジウムを開催した。日本古代と中世の石刻についての研究発表を行った後、科研のメンバーによる討論を行なった。一方、論文集作成に向けて集中的に研究会を開催して全員が研究発表を行い、議論を重ねた。その結果『古代東アジアの文字文化と社会』を刊行した。 所収の論文においては、日本、中国、韓国、ギリシャにおける石刻及び木簡を素材とした文字文化から、それぞれの社会の特質を描き出している。特に研究会発足当初から解決したい問題として意識していた、日本になぜ石刻文化が定着しなかったか、という課題については、社会的変動・流動性の低さを重視すべきことが主張されている。こうした認識は、中国や韓国における石刻文化との比較検討によって鮮明になってきたものである。ならば逆に変動・流動性の高い社会である中国や韓国ではどのような社会関係・人的結合関係があったのか。中国や韓国の社会は共同体がないとか、散砂と形容される。しかし「共同」活動が一切ない社会などありえない。論文集では散砂の如き社会においてどのような時にどのような形で「共同」行為が起こるかの事例が提示されている。日中韓それぞれの社会の特質を描くには初歩的、断片的かもしれないが、文字文化という切り口から、一つのモデルを提示できたと考える。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(22 results)