2014 Fiscal Year Annual Research Report
アマゾン熱帯雨林の保全と開発の革新に向けて~農村共同体の内生的立地と貧困の罠
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26245032
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高崎 善人 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00334029)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 開発経済学 / 農村 / 貧困 / 熱帯雨林 / 国際研究者交流 / カナダ:ペルー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、基盤研究(A)「農村貧困の罠と熱帯雨林における共同体による保全と開発~農村立地を内生化する試み」(平成23年度~26年度)を、農村・家計パネル標本調査を中心とする研究に再構築することで、より発展性の高い研究を行うものである。1年目の今年度は、主に次を実施した。 1.理論・方法論研究(特に貧困の罠について)を、前課題から継続して行った。また、継続して地図情報(GIS)データベースを作成し、予備的分析を行った。 2.収集済みの流域全村調査データ(5流域全体約900村)を使って、個別テーマについて分析を行った。具体的には、これまで第1流域の一部を対象にしていた農村社会ネットワーク分析(サッカー、種子・育苗、共同労働の村レベルのネットワーク構造と空間分布)を、第1流域全体に拡張した。同じく、これまで第1流域の一部を対象にしていた生物資源の変遷に関する分析(村レベルの野生動物・水産資源・木材資源が、地域、農村形成時期、土地属性(高地・低地)、村属性(原住民・混血民)によって、どのように変遷したか)を、5流域全体に拡張した。また、新たに、ショックと農村の移動について、5流域全体について予備的分析を行った。 3.前年度から継続して、第1回農村・家計標本調査の準備を進めた。具体的には、農村・家計調査票をデザインし、コンピュータ支援面接(CAPI)ソフトを用いた構造的調査票を作成した。流域全村調査データをもとに、調査村・家計のサンプリングを行った。試験調査を実施した。そして、前期本調査を実施した。収集したデータの一部につきデータ校正を行い、データベースを作成、予備的分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査農村へのアクセス(低水位による水上交通の制約)、調査村家計の一時的移住(都市への出稼ぎ)、現地調査体制の再整備(調査員の欠員の発生と補充)等により、当初の計画に較べ、農村・家計標本調査により多くの時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
主に次を進める。 1.貧困の罠、共同体プログラム資源配分・インパクト評価に関する既存理論・方法論を整理し発展させる作業を継続する。GISデータベースの作成・分析を継続する。 2. 流域全村調査データを使った分析を拡張する。主な個別テーマには、農村社会ネットワーク、生物資源測定、保護地域・原住民と自然保護、都市と生物資源枯渇、共同体貧困の罠、ショックと農村の移動が含まれる。 3. 前年度の前期本調査に引き続き、第1回後期農村・家計調査を実施する。前期調査データと統合してデータ校正を行い、データベースを作成する。
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Research Products
(2 results)