2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26245051
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
東 伸一 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (70368554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
懸田 豊 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (60194693)
金 雲鎬 日本大学, 商学部, 准教授 (10410383)
横山 斉理 法政大学, 経営学部, 教授 (70461126)
戸田 裕美子 日本大学, 商学部, 准教授 (50383948)
大崎 恒次 専修大学, 商学部, 准教授 (70712678)
森山 一郎 静岡文化芸術大学, 人文・社会学部, 准教授 (60508985)
鍾 淑玲 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (30381338)
岸本 徹也 流通科学大学, 商学部, 教授 (00405929)
峰尾 美也子 東洋大学, 経営学部, 教授 (30349930)
伊藤 匡美 東京国際大学, 商学部, 教授 (20523012)
嶋 正 日本大学, 商学部, 教授 (30187421)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 流通 / 商業 / 小売業 / 卸売業 / マクロマーケティング / 流通構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、流通分野の研究に携わる国内外の研究者の間の共通の知識基盤としての「流通の有力理論・仮説」にかかわる伝統的研究と研究の新潮流を体系化した上で、理論・仮説と現実の流通現象の接点を踏まえた論考を展開し、流通システム(流通機構)の変化をとらえることに主眼を置いたマクロ的研究の進展への貢献を図るものである。各国の国民経済において、流通業は付加価値創造と雇用の両側面で重要な役割を果たしているものの、その発展プロセスにみられる地域性、歴史性などに起因する複雑性が強いことから、とくに若手研究者の間では、マクロ的な視点からの流通問題への接近が困難となる場合が顕著になっている。このような現状に鑑み、流通研究の入り口に立ったときに不可欠となる知識体系を整理することも本課題の目的のひとつである。 こうした目的にもとづき、本研究課題では(1)流通にかんする有力・理論仮説のオーバービュー (2) 流通研究をおこなう上で不可欠となる知識体系の整理 (3)左記(2)を構成する要素と現実の流通現象の接点についての実証的研究の遂行 (4)近年における流通課業環境・制約環境の変化潮流とそれらを説明するための理論ツールについての検討に取り組んでいる。 本課題の1年目および2年目においては、上記(3)・(4)に主眼を置きながら、(1)および(2)の課題にアプローチする形式にしたがって、研究組織全体で研究活動に取り組んできた。最終年度に向けて、書籍の出版計画とそのための方策が確定しているが、これも同様の方法によって遂行するものである。なお、2015年度において本研究の研究分担者の一人は、本課題の主要テーマについて論じた二本の論文を通じて、それぞれ日本流通学会「論文賞」および日本マーケティング学会「ヤング・スカラー・アウォード」を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の初年度においては、研究組織・研究体制の整備と本研究において取り組む課題領域の再定義と明確化、そして研究方法の推敲への注力をおこなった。具体的には、本研究の研究組織の前身となっていた研究会における世代交代にともない、若手研究者を中心に課題を推進し、ベテラン研究者に都度意見を求める形での研究活動の遂行を図る体制を強化した。そのことにより、基幹メンバーによる研究会を、各回とも比較的短時間ではあるものの、週次レベルで開催することが可能となり、研究組織全体での研究進捗に資することになった。研究組織構成メンバーの一部は遠隔地からの参加となるため、この週次研究会における議論を研究組織全体で共有化した上で、定期的に開催する全体研究会における研究報告と議論を通じて、「流通にかんする有力理論・仮説」そのものの検討をおこなうとともに、それらにアプローチするための方法論の再検討をおこなった。 これらを踏まえ、2年度目においては、(1)流通にかんする有力・理論仮説のオーバービュー (2) 流通研究をおこなう上で不可欠となる知識体系の整理 (3)左記(2)を構成する要素と現実の流通現象の接点についての実証的研究の遂行 (4)近年における流通課業環境・制約環境の変化潮流とそれらを説明するための理論ツールについての検討 からなる本研究課題の活動領域を明確化し、これらのうちの(3)・(4)を中核として(1)および(2)の体系化を図る枠組みを策定し、それに基づく形で研究活動を遂行している。 有力理論・仮説のそれぞれについての論考の作成という次元においてはやや遅れが生じている部分もみられるが、最終年度における成果報告(論文、学会発表、および書籍)の形式とスケジュールが確定しているとともに、一部研究成果が学会賞受賞対象となるなど、進捗はおおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題への助成は、2016年度が最終年度となる。課題の特性上、長期的な研究継続が不可欠となるが、今回の助成期間における研究成果最大化を図る意図にもとづいて、最終年度における課題推進方策を以下の通り設定した。成果報告の形式に沿って2つの区分を設けた。 (1) 「流通の有力理論・仮説」各テーマに関連する論文の執筆、学会報告とその体系化 (2) 書籍の執筆 (1)においては、本研究課題の研究組織を構成する研究者が本課題の遂行過程において取り組んできた「流通にかんする有力理論・仮説」に関連する論文執筆や学会発表を個別に発展させつつ、研究会における議論を通じて本研究の目的に合致する研究体系として整理を試みる。(2)については、流通にかんする理論・仮説についてのオーバービューを踏まえて、流通現象を解釈・説明するためのツールとしてのそれらの有用性について検討を試みるものである。この書籍は、流通・商業分野における研究・学習の体系に沿って構成されるものであり、流通研究者や流通研究を志す者や流通論を学ぶ学生だけでなく、流通業や流通活動に携わる実務家にとっても使用価値の高いものとなることを目標としている。 (1)については、2016年度末前後をめどに体系化作業を実施する予定としており、そのための役割分担は明確化しており、テーマごとに差異はあるものの全体的にすでに進捗がみられている。(2)については、研究代表者(東)および研究分担者・協力者(横山、金)が中心となり、出版物の企画調整をおこなっている。2016年度秋をめどに、研究分担者、協力者および外部専門家による草稿を執筆し、編集・校正の上、2016年度末の刊行を計画している。 2016年度については、2名の研究分担者が在外研究期間に入り、所属機関の規定により研究協力者となるが、両者ともこれまで通り、中心的な役割を果たすこととなっている。
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Research Products
(30 results)