2017 Fiscal Year Annual Research Report
学力格差の実態把握と改善・克服に関する臨床教育社会学的研究
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26245078
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
志水 宏吉 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40196514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前馬 優策 大阪大学, 人間科学研究科, 講師 (00632738)
知念 渉 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (00741167)
山田 哲也 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (10375214)
林嵜 和彦 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (10410531)
垂見 裕子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (10530769)
川口 俊明 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (20551782)
藤井 宣彰 県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (20615603)
中村 瑛仁 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (30756028)
葛上 秀文 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40304563)
若槻 健 関西大学, 文学研究科, 研究員 (40421276)
濱谷 佳奈 大阪樟蔭女子大学, 児童学部, 講師 (60613073)
シム チュン・キャット 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (60721446)
石川 朝子 帝京大学, 理工学部, 講師 (60759877)
高田 一宏 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80273564)
園山 大祐 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80315308)
堀家 由妃代 佛教大学, 教育学部, 准教授 (80411833)
伊佐 夏実 宝塚大学, 造形芸術学部, 講師 (80601038)
新谷 龍太朗 平安女学院大学短期大学部, その他部局等, 助教 (10783003)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 学力格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、4つのチームそれぞれにおいて、予定された研究活動を実施し、概略以下のような知見を得た。 家庭班:対象家庭は、子どもに丁寧に寄り添いサポートしようとしている点では共通しているものの、子どもの学習環境の整備、学習のモニタリングという点で大卒家庭は高卒家庭に比べてより徹底しており、学校や教師とのかかわり方にも自信をもち、子への期待も高い。それに伴い、小学校入学当時にはあまり顕著ではなかった子どもの学習への取り組み方にも、徐々に差が見られ始めている。 学校班:学力格差の拡大もしくは縮小の背景には、「学力習慣の定着」や「安定した学級集団」の有無といった学校の取り組み、「家庭の安定した人間関係」といった家庭の要因があることが示された。また、学年ごと及び、中学校区の置かれた文脈によって学力格差拡大・縮小に影響を与える要因は異なることが示唆された。 国際班:カリキュラムや学力観の違い(英はパフォーマンス重視、他はコンピテンス重視の傾向)と格差是正との関係、成果測定の有無にかかわらず、各国で貧困層への手厚い支援が存在すること、そしてその各国の支援の実態等が知見としてえられている。 統計班:PISA2015で行われた調査設計の変更(PVsの増加等)とRによる分析法について確認した。その上で,日本の学校について,(1)小中学校の学校間差が他国と比べて小さい一方で,高校の学校間差が大きいこと,(2)平均的な学力水準が高く,SESによる学力差が小さいことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本共同研究は、これで五年間のうちの四年めの活動を終えたことになる。 4つに別れた各チームは、第二~四年次に実質的な調査を継続して実施し、豊富な質的および量的データを収集する予定にしていたが、ほぼ計画通りにその調査を終えることができたと評価しうる。最終年度は、蓄積されたデータに対するインテンシブな分析を行い、まとめの知見を産出する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、来年度は最終年度にあたる(トータルで五年間)。これまでの四年間で、当初計画していた調査研究活動を順調にこなし、期待していたデータを生み出すことができた。残りの一年は、この蓄積されたデータに対するインテンシブな分析を行い、まとめの知見を産出する手はずとなっている。研究遂行上の問題点等は今のところ見当たらない。
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Research Products
(7 results)