2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26246005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
玉田 薫 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (80357483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 大輔 大分工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教 (20643729)
柳瀬 雄輝 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (40452586)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 表面プラズモン共鳴 / 金属ナノ粒子 / 自己組織化 / メタマテリアル / 高分解能イメージング / ナノ界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年我々はナノサイズの金属微粒子からなる二次元結晶シートを金属基板上に積み上げると、可視域での鮮やかな呈色変化に続き、紫外域に特有の強い吸収バンドが現れる現象を発見した。これは金属微粒子結晶シートのメタマテリアル的性質と、積層によるフォトニックバンド形成の効果によるものと考えられる。これらの独自の研究成果を発展させ、ナノ光デバイスとして具体的な応用例を世界に先駆けて提案するため、プロジェクト2年目である本年度は、以下の研究を遂行した。 1) スプレーによる積層構造作製法の確立 当初計画として、微粒子シートの積層構造の間に量子ドット等発光粒子を埋め込み、その発光現象について、前年度購入の絶対PL量子収率測定装置および蛍光寿命測定装置によって詳細に検討する予定であったが、これまで用いてきたLB法では、デバイスの目的とする箇所に粒子をうまく埋め込むことができなかった。そのためLB法に変わる手法として、スプレー法による微粒子積層膜の成膜法の開発に着手した。その結果、スプレー条件を工夫することで、従来のLB法による積層膜と同程度の品質の均一なフルカラーを得ることに成功した。また条件によって、視野角により色味の変化する構造色的な特性を示す膜の形成が可能であることが明らかになった。本年度は、この成果について特許申請した。 2) ナノバイオ応用 微粒子シートを高分解能バイオイメージング、特に細胞接着表面の観察へと応用し、全反射顕微鏡(TIRF)を超える高解像度のナノ界面蛍光画像を得ることに成功した。さらにTIRF顕微鏡を改良し、PおよびS偏光を顕微鏡内に導入できるようにし、蛍光ビーズ画像を比較した。その結果P偏光を用いることで、空間分解能を低下させずに、蛍光増強度をさらに2倍増強することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度予想していた通り、ナノ加工表面への微粒子シートの導入について、従来のLB法では難しいことが判明し、予定を変更し、スプレー法の検討を追加した。その結果、スプレー条件を工夫することで、従来のLB法による積層膜と同程度の品質の均一なフルカラーを得ることに成功した。また条件によって、視野角により色味の変化する構造色的な特性を示す膜の形成が可能であることが明らかになった。本年度は、この成果について特許申請した。しかし、この計画外の成果が得られたものの、当初計画していた微粒子シートの積層構造の間に量子ドット等発光粒子を埋め込み、およびその発光現象についての検討は遅れている。次年度以降、急ぎ実行する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度技術確立したスプレー法による成膜試料の実験を効率よく進めるために、来季早々にスプレー装置を導入する(前年度は共同研究により対応)。バイオイメージングについては、基本技術が確立したので、ライブイメージングへの応用を展開する。
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Research Products
(32 results)