2015 Fiscal Year Annual Research Report
環境超高圧電子顕微鏡を用いた実装電池反応の原子レベルその場観察
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26246006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 信夫 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 研究員 (40126876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 浩一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00214742)
武藤 俊介 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (20209985)
齋藤 晃 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (50292280)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2018-03-31
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Keywords | ナノマイクロ構造解析・評価・試験法 / リチウム電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
大気暴露せずに試料を反応科学超高圧電子顕微鏡内に挿入することが出来るように以下のように装置を改修するとともに、リチウム電池のモデル試料を使って観察実験を行った。 (1)外気を遮断した状態で電池材料の試料調整が行えるグローブボックスを開発した。 (2)実装電池の分解により取り出した嫌気性電池材料観察用に、グローブボックス内でアルゴンガスを注入し封印できる完全密閉型の試料ホルダーを開発した。(3)試料を封印した状態で、新規開発した超高圧電子顕微鏡の試料予備排気室へ持ち込むことを可能にした。(4)試料予備排気室で試料周囲のアルゴンガスから真空に置換した後、試料ホルダーを超高圧電子顕微鏡内に挿入した後、観察部のみ開口してTEM観察した。(5)電池内の金属電極と水素電極の界面などは、収束イオンビーム(FIB)装置の中に上記の完全密閉型のトランスファーホルダーを挿入し、薄片化加工と試料搭載、顕微鏡への非大気暴露条件で行えるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)日本電子(株)に製作依頼した非大気露出ホルダーも完成し、加熱特性と大気遮断特性も満足いくものであることを確認した。 (2) 真空トラスファーの重要なパーツであるグローブボックスの整備も終わり、上記の非大気露出ホルダーの収納とエアーロック室への移動も問題なくできることを確認した。 (3) 嫌気性のリチウム電池材料を、協力研究室から上記のグローボクスに運搬する小転送ベルジャと転送チップの設計が完了して製作に入った。 (4) リチウム電池の代表的な電極材料であるLiCoO2 の300度以上の加熱時におこる相変態機構を高分解能電子顕微鏡像として観察することに成功し、その像解釈として像シミュレーションプログラムを使えるようにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)予定通り、平成28年度は、電極材料の熱変態機構の電子顕微鏡その場観察を行う。 (2) 上記の転送設備を使って、協力研究室から電池セルの形のリチウム電極材料を真空転送する作業をおこなう。
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Research Products
(5 results)