2014 Fiscal Year Annual Research Report
強相関酸化物3Dナノ構造スケーリング物性解明と電子相変化デバイス応用
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26246013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 秀和 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80294130)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新機能材料 / 遷移金属酸化物 / 酸化物エレクトロニクス / 強磁性ダイオード / 金属-絶縁体転移 / ナノドメイン / ナノ構造デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
①ナノインプリントリソグラフィーを用い、線幅200nmのVO2ナノワイヤデバイスを形成した。通常の2D薄膜デバイスに比し、ナノ構造増感効果による非常に急峻な電流誘起絶縁体→金属スイッチを観測した。これによりデバイスの極小化およびスイッチングの急峻化により1/1000の省電力化を実現した。 さらに、パルスレーザ蒸着法(PLD)でテンプレート側面へ薄膜結晶を成長させる3次元ナノテンプレートパルスレーザ蒸着法(3DナノテンプレートPLD法”)により、直接ナノインプリント法の解像度をを超えた70nm幅のVO2ナノウォールワイヤおよび(La,Pr,Ca)MnO3ナノワイヤの形成に成功した。 ②さらに電界効果トランジスタデバイスとして、ナノインプリント法により、VO2ナノチャネルを有するのサイドゲート型エアギャップ電界効果トランジスタ(FET)構造を作成した。ナノチャネル幅は最小200nm、エアギャップ幅は400nmである。このナノデバイスおいて、大気中と乾燥N2中で電界誘起金属絶縁体変化に起因する抵抗変化を形成し、動作環境で異なる二つの動作モードが存在することを確認した。大気中においては、吸着水の電気分解により水素がVO2ナノチャネルにドープされ、それに伴い電子がドーピングされていることが機構であることを明らかにした。 ③巨大な電界を印加することが可能なイオン液体をゲート層として用い、強磁性半導体(Fe,Zn)3O4薄膜および磁場・温度誘起金属ー絶縁体((La,Pr,Ca)MnO3薄膜電界効果トランジスタ(FET)デバイスを作成に、印加電界により二つの動作モードが存在することを同様に明らかにした。すなわち静電的なキャリア変調効果と酸化還元に伴う物性変調効果である。併せてこれらは物質の組成および印加電圧の大きさによりモード選択が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定のナノ構造による増感効果による省電力デモンストレーションを行ったことに加え、さらにサイドゲートFETデバイスおよび薄膜FETデバイスにおいて当初予定の静電的効果による動作モードに加え、酸化還元・水素ドープによる新たな動作モードを見出すことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
①今後は現行のサイズ(ワイヤ幅)をさらに減少させ、物性変調度(抵抗変化率)、省電力特性(抵抗変化率/投入電力)の測定を行う。現行の200nm幅のナノワイヤデバイスから100nm以下のデバイスに移るにしたいその効果は一層向上すると期待され、その効果の検出に務める。
②薄膜デバイスで動作を確認したイオン液体ゲートをナノワイヤデバイスに適用に、電界効果におけるナノ増刊効果を検証する。この為、イオン液体ナノワイヤ電界効果デバイスの作成法を確立に努め動作デモンストレーションを行う。
③前年度見出した二つの動作モード、【静電的効果】動作モードおよび【酸化還元・水素ドープ】動作モードの比較検証をおこないそれぞれの長所・短所を明らかにする。
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Remarks |
http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/bis/
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