2015 Fiscal Year Annual Research Report
acceleration and control of intense heavy ion beam using four-beam RFQ linac
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26246042
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
林崎 規託 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (50334537)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2017-03-31
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Keywords | 加速器 / マルチビーム / 大強度イオンビーム / RFQリニアック / レーザーイオン源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で開発を予定しているマルチビーム型IH-RFQ線形加速器の原理実証システムは,直接入射型の4ビーム型レーザーイオン源,4ビーム型IH-RFQ加速空洞,ビーム収束系,ビーム分析・測定部,高周波増幅器および真空ポンプから構成される。直接入射型レーザーイオン源は加速空洞と直結されており,原理的にビーム損失が少ないため高強度ビーム加速に適している。 本研究においてマルチビーム加速をおこなう重イオンとしては,研究実績のある炭素イオンを考え,1ビームあたり50mA程度のピーク電流量を予定している。レーザーイオン源から取り出された複数の炭素イオンパルスビームは,加速空洞において30~50keV/amu程度まで加速され,ビーム測定部においてビーム電流量や加速エネルギーが測定される。過去の2ビーム加速の実績が4ビーム加速でも再現されると,全ビーム電流は200mAを超える性能が得られる。 平成27年度は,前年度に実施した4ビーム型IH-RFQ加速空洞の基本設計内容を,原理実証機の製作に必要なレベルまで高精度化するために,ビーム軌道計算解析と3次元高周波電磁場解析を組み合わせた設計最適化を重点課題として,4ビーム加速に適した電場分布の適正化と,これにともなう加速空洞や電極類の形状・配置の決定,また,高周波発熱に対する効果的な冷却水路形状の検討に精密機械加工メーカーと連携しながら取り組んだ。そして最終的に,世界初の4ビーム型IH-RFQ加速空洞の原理実証機として,運転周波数47.8MHz,入射エネルギー3.6keV/u,出射エネルギー41.6keV/u,入射ピーク電流240mA(1ビームあたり60mA),出射ピーク電流160.4mA(1ビームあたり40.1mA)の性能仕様を備える詳細設計を完成させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で開発中のマルチビーム型IH-RFQ線形加速器は,4ビーム型ゆえに過去の2ビーム型以上に電極構造が複雑であり,そのレイアウト案も複数考えられたことから,安定したビーム加速に必要な電場分布を得るための3次元高周波電磁場解析に予定以上の時間を要してしまい,原理実証機の製作が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
4ビーム型IH-RFQ加速空洞の原理実証機の製作完了後に低電力試験および大電力試験をおこない,本研究で新しく開発した4ビームレーザーイオン源と組み合わせることで,最終的にビーム加速実証試験を実施する。
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