2016 Fiscal Year Annual Research Report
Quest for the Ultimate Theory in terms of rich cosmophysical phenomena caused by fields and particles in the hidden sector
Project/Area Number |
26247042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小玉 英雄 京都大学, 基礎物理学研究所, 特任教授 (40161947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井岡 邦仁 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80402759)
郡 和範 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (50565819)
高橋 史宜 東北大学, 理学研究科, 准教授 (60503878)
檜垣 徹太郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (10629059)
中山 和則 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90596652)
吉野 裕高 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特任助教 (20377972)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2018-03-31
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Keywords | アクシオン / ブラックホール / 重力波 / インフレーション / 超弦理論 / ダークマター |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ブラックホール(吉野,小玉):回転ブラックホール・アクシオン系から放射される重力波を計算するコードをほぼ完成. 2)高エネルギー天体(郡,小玉,井岡):宇宙赤外線背景放射とアクシオンのTeVガンマ線天体スペクトルへの影響を計算するコードを完成.LIGO実験で観測された重力波イベントに対して電磁波対応天体の存在を検討. 3)隠れたセクターの宇宙論(早田,高橋,檜垣,中山):修正重力理論の枠内で超軽量アクシオン暗黒物質の振動が重力波干渉計で観測される可能性を指摘.強いCP問題,質量階層性,暗黒物質、バリオン非対称、ニュートリノ質量、インフレーションのすべてを同時に説明するフラクシオン模型を提案し,その加速器実験による検証可能性を指摘.整列多成分アクシオン模型が,ドメインウォール生成とその放出する重力波を通して,パルサータイミングにより制限を受けること示した.アクシオンがダークマターとインフレーションを同時に説明するモデルでは,アクシオンが将来の太陽アクシオン探索実験およびレーザー実験で発見可能であることを示した.リラクシオン機構がハイスケールインフレーションと整合的となるには,新たなシフト対称性の破れが必要であることを示した. 4)超弦理論インフレーション模型(檜垣,小林):II型理論のトーラスコンパクト化によりアクシオンインフレーションモデルを構築.弦理論的なモジュラー変換対称性を用いたインフレーション模型の性質を研究.インフレーションを引き起こすモジュライとアクシオンの新たな形のポテンシャルを提案. 5)全宇宙超弦模型(小林,溝口):現実的な質量ゼロスペクトルを導出するコンパクト化におけるモジュライ安定化の具体的な例を構成. F理論におけるE8多重特異点近傍のブレーン型インフレーションの実現に向けた研究. 基研で隠れたセクターの実験的検証・探査を中心とした国際会議を開催.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請段階で設定した研究計画はほぼすべて達成した.特に,ブラックホール・アクシオン系からの重力波放射を評価するコード開発が遅れていたが,問題を解決する処方を見出すことができた.また,ガンマ線天文学からアクシオンについての情報を得る研究については,CIBER実験の論文発表が遅れたため,本年度内に我々の論文を発表することができなかったが,宇宙赤外線背景放射とアクシオンのTeVガンマ線天体スペクトルへの影響を計算するコードを完成し,実験データの発表を待つだけの段階に達した. 隠れたセクターの宇宙論研究により,隠れたセクターの構造を探る新たな観測・実験の提案も行った.さらに,標準モデルを再現しかつインフレーションを含む整合的な宇宙モデルを与える超弦理論コンパクト化の探査についても,具体例を構築することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
ブラックホール・アクシオン系からの重力波放出を計算するコード開発のめどがついたので,本年度は,現在稼働中および今後稼働予定の重力波検出器による観測により,アクシオンについてどのような制限を与えることが可能かを組織的に研究する.また,ブラックホール合体からの重力波検出という歴史的成果により,重いブラックホールが従来の予想より大量に存在する可能性が高くなったが,この可能性をブラックホール・アクシオン系からの重力波放出という観点から検討する. 2017年度になってからCIBERの実験データが論文として発表されたので,至急にこれまでに開発したコード・解析法を用いてアクシオンについてどのような情報が得られるか計算し,論文を発表した.今後,この論文で仮定したガンマ線放射機構や磁場構造が結論にどのような影響を与えるか検討し,研究成果をより確固なものにする. 隠れたセクターの宇宙論については,昨年度研究を提案したフラクシオンモデルなど,アクシオンを含む標準モデルの統一論的拡張をより組織的に研究し,現象モデルと究極理論との関係を探る.また,超弦理論コンパクト化による素粒子宇宙統合モデルについては,モジュライ構造の単純なものに限定することにより,より組織的な探査を行い,その可能性について明確な結論を得るとともに,素粒子実験・宇宙観測との関連を探る.
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Research Products
(84 results)
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[Journal Article] Reinterpretation of the Starobinsky model2016
Author(s)
Takehiko Asaka, Satoshi Iso, Hikaru Kawai, Kazunori Kohri, Toshifumi Noumi, Takahiro Terada
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Journal Title
Progress of Theoretical and Experimental Physics
Volume: 2016
Pages: 021E01
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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