2016 Fiscal Year Annual Research Report
Novel Phenomena in Strongly Correlated Electron Systems Emerging in the Non-equilibrium States
Project/Area Number |
26247060
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前野 悦輝 京都大学, 理学研究科, 教授 (80181600)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 一郎 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30227508)
中村 文彦 久留米工業大学, 工学部, 教授 (40231477)
鈴木 孝至 広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (00192617)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 強相関電子系 / 非平衡状態 / モット絶縁体 / ルテニウム酸化物 / 非線形伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に当たり、これまでの経過を踏まえて、以下のテーマを重点的に研究して研究成果の総括を行った。 第一のテーマとして、強相関電子系の非平衡定常状態での状態変化の典型例となるCa2RuO4での研究を継続した。最大の成果として、定常電流の下でモット絶縁体が半金属状態に移行し、同時に反強磁性秩序が消失して、低温で反磁性が出現することを発見した。約40ケルビン以下で現れる反磁性の大きさは、ビスマスの20倍以上に達し、超伝導体のマイスナー効果以外では最大の反磁性を記録した。この現象の機構解明に向け、電流によって電子相関効果が弱まり、モット絶縁体が半金属化して反磁性を生むモデルを構築した。これらの成果は論文投稿中で、プレプリントサーバーにも投稿した: C. Sow, S. Yonezawa, S. Kitamura, T. Oka, K. Kuroki, F. Nakamura, Y. Maeno, arXiv:1610.02222(1-25)(Oct. 2016)。 また、電場・電流方向依存性(異方性)、圧力依存性、軌道秩序の変化、格子振動・結晶構造の変化、比熱・潜熱との関係を明らかにするための測定、特に圧力下の比熱測定を進めた。 第二に、Ca2RuO4と同様の電流効果を求めて、様々な系のギャップの振舞を研究した。類縁のCa3Ru2O7での金属・非金属転移を電流通電で抑制できるか吟味した。ハニカム格子系Li2RuO3のダイマーギャップへの電場・電流効果も調べてきたが、必要な大きさの単結晶育成は困難であった。しかし、リチウム欠損系の新物質相を安定化でき、新奇な2量体配列の固体・液体転移を見出したので論文発表した。 本研究課題のメンバーによる第2回目の研究会を11月に久留米工業大学で開催し、研究成果を総括するとともに、今後のさらなる展開に向けた議論を行った。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(18 results)