2016 Fiscal Year Annual Research Report
High-speed and wide-field survey for trans-Neptunian objects
Project/Area Number |
26247074
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
渡部 潤一 国立天文台, 天文情報センター, 教授 (50201190)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 文彦 神戸大学, 理学研究科, 特命助教 (30720669)
酒向 重行 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90533563)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 固体惑星 / 衛星 / 小惑星 / 惑星形成 / 惑星進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は太陽系外縁天体(trans-Neptunian objects; TNO)による恒星の掩蔽現象を観測することで、kmサイズのTNOのサイズ頻度分布を決定し、その形状から太陽系初期の外縁部の環境や巨大氷惑星の移動プロセスを明らかにすることを目的とする。この目的を達成するために、大フォーマットの常温駆動高感度CMOSセンサを搭載した2平方度の広視野高速カメラを開発し、東京大学木曽観測所シュミット望遠鏡に搭載して、多数の恒星の大規模な測光モニタ観測を実施する。平成27年度までに、広視野高速カメラのカメラ筐体とCMOSセンサ読み出し回路の開発が完了し、平成28年度にはデータ解析パイプライン、逐次解析計算システム、高速データ通信システムの開発を行った。また、木曽シュミット望遠鏡に搭載しての掩蔽観測の試験観測を実施した。並行して、センサの感度や温度依存性とカメラ筐体の熱安定性の性能評価を進め、当初の設計性能が達成されていることを確認した。カメラの試験観測を実施しながら、掩蔽モニタ観測の監視領域、観測手法、観測モード、検出方法の検討を進めた。平成28年6月には広視野高速カメラについて装置開発の国際研究会SPIEにて発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は広視野高速カメラのデータ解析パイプラインと逐次解析計算システムと高速データ通信システムの開発を行った。また、カメラ筐体の発熱とセンサ感度への影響の調査を実験室にて行った。解析ソフト開発と計算機構築を担当していた本科研費雇用の研究員が12月で異動になったが、その後も本研究に協力してもらえたため、計画の進行に影響は及ばなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度となる平成29年度には、広視野高速カメラを木曽シュミット望遠鏡に搭載してTNOによる掩蔽現象の観測を長期に渡り実施する。結果を国際研究会および雑誌論文にて発表する。
|
Research Products
(7 results)