2015 Fiscal Year Annual Research Report
3次元全波動場インバージョン・全成分反射法探査による富士川河口断層帯浅部構造解明
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26247084
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
伊藤 谷生 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (50111448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 剛 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 准教授 (00468406)
狩野 謙一 静岡大学, 防災総合センター, 客員教授 (30090517)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 富士川河口断層帯 / パラレル測線反射法地震探査 / 伏在低角衝上断層 / ポップアップ構造 / レシーバ関数解析法 / フィリピン海プレート |
Outline of Annual Research Achievements |
第1年度に星山丘陵で行なわれた富士川河口断層帯へのパラレル測線高分解能浅部反射法探査を受けての第2年度=27年度の取り組みとその成果は以下の3点にまとめられる。 第1に、地表近傍の地質は探査結果解釈の重要なデータであるので地表調査を継続するとともに静岡県が管理するボーリングデータ集の主要部分を活用してパラレル測線沿いの暫定地質図ならびに表層近傍断面図を作成した。 第2に、第1年度の探査データを2つのステップで処理した。第1ステップは通常の処理によて全体構造を概観し、第2ステップではトモグラフィー解析を加えたうえでKingdamを用いて6本の測線断面図を準3次元的に俯瞰できるようにした。この作業結果と第1の成果から富士川河口断層帯の浅部は極低角伏在衝上断層によるポップアップ構造によって特徴づけられていることが強く示唆された。 第3に、富士川河口断層帯下のフィリピン海プレート上面の形状と深度をレシーバ関数解析法によって解明することを目指して富士川河口断層帯ならびにその周辺に60台の地震計を格子状に約4ヶ月にわたって設置した。これらの地震計による自然地震観測データは順調に取得された。解析は第3年度に行なわれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『研究実績』の項でも述べたように本年度(27年度)は3つの点で成果をあげ、「おおむね順調である」と評価してよい。しかし、“もう一歩”という面もあるので「おおむね」としておいた。具体的には、研究実績1との関連で、星山丘陵ならびに周辺のボーリングデータでデータ所有機関との調整がつかずいくつか未収集のものが残っている。また、研究実績3については東京大学地震研究所から60台の地震計を借用するのが同研究所の臨時観測の御都合で12月となったため、取得データの解析までには至らなかった。ただし、これらのことは最終年度(28年度)の冒頭で十分対処できるので本研究の進捗には影響ないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、本年度の処理によって得られた準3次元データを活用して本研究の中心的課題である全波動場インバージョン(FWI)による浅部構造イメージングに取り組む。 第2に、4ヶ月にわたって取得した自然地震観測データをもとにレシーバ関数解析を行い、富士川河口断層帯地下のフィリピン海プレート上面の形状をイメージングする。 第3に、可能な限り既存ボーリングデータを収集し、富士川河口断層帯の浅部地下構造の解釈を行なう。
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