2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reduced Hierachal Equations of Motion for Exciton and electron transfer ssystems: Application to nonlinear response
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26248005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷村 吉隆 京都大学, 理学研究科, 教授 (20270465)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 散逸系の階層方程式 / 散逸系の階層型シュレディンガー方程式 / 多準位量子フォッカープランク方程式 / コニカルインターセクション / 分子モーター / 2次元電子振動分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、これまでの成果を基礎とした集大成として①波動関数ベースの散逸系の階層型シュレーディンガー方程式の導出、②多準位フォッカー・プランク方程式の2次元系への拡張とConical Intersection (CI)への応用、③オーミック分布系に対する低温補正つきの多準位フォッカー・プランク方程式の導出と、2次元電子振動分光(2DEVS)の計算による検証および、サーフェースホッピングなど既存の各種近似法の限界指摘、④分子モーター系と2DEVSの研究、⑤空間対称性を持つ熱浴と相互作用する2次元回転子の研究、⑥空間対称性を3次元回転子に対する階層方程式の導出と、2次元分光の計算について研究し、①-⑥を論文にまとめた。 ①はHEOMの計算コストを劇的に下げるために縮約化された密度演算子の定義に立ち戻り、熱浴の演算子まで含めた全演算子が複素平面上の時間積分(ケルデッシュパス)で書かれることを利用した、波動関数ベースで行い、特にメモリーによる縛りを劇的に軽減させ、世界記録となる16Qビットの量子アニーリングの厳密計算のデモを行った。 ②-④は非断熱遷移やCIのある系における散逸の影響を研究するため、計算コストをさげるためにOhimic分布に対する低温補正つきのHEOMを開発し、コヒーレンスにおよぼすベリー位相の研究、非断熱遷移の2次元電子振動分光(2DEVS)の研究、分子モーターの効率と2DEVSの研究を行った。開発したソースコードはJCTCのホームページ上で公開した。 ⑤、⑥は回転分光は量子性が顕著に表れる古くから知られた分光であるが、回転系における熱浴と系のハミルトニアンが確定しておらず、散逸系の量子力学の枠組みで調べられていなかった。そこで回転対称性を持つ2、3次元回転子・熱浴系のハミルトニアンを開発、熱浴による回転バンドの変化、2次元回転振動分光スペクトルの計算を行った。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
本研究に関連した講義をアメリカ、ドイツ、イギリス、南アメリカ、スエーデン、中国、インド等で行っており、その講義論をホームページに掲載している。また、開発したソースコードや作成した動画は、論文の付録としてJCTCやCPでダウンロード可能にした他、ホームページにも最新版を公開している。これらのプログラムは世界中の研究者に使われており、それが掲載論文の引用度の高さに結びついている。
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