2015 Fiscal Year Annual Research Report
人工塩基対による遺伝情報の拡張技術の細胞システムへの応用
Project/Area Number |
26248043
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平尾 一郎 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, チームリーダー (50173216)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2016-03-31
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Keywords | 人工塩基対 / 遺伝情報拡張技術 / 合成生物学 / ゼノバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、遺伝情報を拡張した次世代遺伝子操作技術の創出を目指して、複製で機能する第三の塩基対(人工塩基対)を独自に作り出し、これを組み込んだDNAを遺伝子にもつ生物システムの構築を進めている。近年、合成生物学分野の研究が増えてきているが、申請者らは、さらにその先の新たな研究分野(Xenobiology、ゼノバイオロジー)を立ち上げるために、新たな基盤となる基礎研究を積み上げることにより、生物への応用研究に発展させている。そして、昨年度来は、申請者らが作り出した人工塩基対(Ds-Px)の性能を詳細に調べる実験を中心に研究を進めた。その結果、複製においてDs-Px塩基対が天然型塩基対と同レベルの選択性で第三の塩基対として機能することと、この塩基対を用いたDNAの蛍光標識法など、今後の細胞への応用に向けてのDs-Px塩基対の有用性を示すことができた(論文投稿中)。さらに細胞内に人工塩基を導入し、細胞内で機能性核酸を機能させるための核酸断片の安定化法なども開発でき(Scientific Reportsに論文受理)、本課題の主目的である新たな構成成分を含む遺伝子を持つ新生物の創製とその応用技術の開発に現在研究を進めている。 このような新分野を切り開くためには人材の育成も重要な課題であるが、国内での人材育成が非常に難しく、その間に、シンガポールのInstitute of Bioengineering and Nanotechnology(IBN)から新研究チーム設立を依頼された。難しい判断ではあったが、国際的に本研究を進めるためには、IBN研究所に申請者らの研究室を移すことが、最も良いと考えた。その結果、残念ながら、科研費での本課題は今年の10月末をもって終了するに至った。本オファーのように、本課題を通して、申請者らの研究が国際的に認められつつあることも、今年度の研究成果の1つであると考えている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)