2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26248045
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| Research Institution | Ehime University |
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Principal Investigator |
青野 宏通 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (00184052)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 吉晃 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (30325146)
松枝 直人 愛媛大学, 農学部, 教授 (90199753)
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| Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2018-03-31
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| Keywords | ゼオライト / 土壌除染 / 放射性セシウム / シート化 / 濃縮 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが開発したゼオライト-マグネタイト複合材料（磁化ゼオライト）は、ゼオライト粒子中にナノサイズのマグネタイト磁性体を含んだ一体型の複合材料である。これを福島の水田に散布・混合すれば、ゼオライトに放射性Csなどを吸着させた後、マグネタイトの機能による磁力回収が可能となる。一方、除染シートによる回収方法も安価な方法として期待できる。本研究は、土壌を壊さずに除染できる除染方法の実用化を目指すものである。
当初、石炭焼却灰を原料としたNa-P1型人工ゼオライトを基に検討を行っていたが、モルデナイトの方がセシウム選択性が高いことが明らかになり、珪藻土を原料として安価に合成する方法を検討し確立した。また、試薬から不純物を含まないモルデナイトおよび磁化モルデナイトを合成し、目標とする吸着性能を定めた。
実用実験として、模擬土壌として市販のバーミキュライトに非放射性セシウムを吸着させ、磁化ゼオライトへの移行条件（溶出助剤として用いるシュウ酸アンモニウムおよびシュウ酸混合溶液の濃度）、および、セシウムが吸着した磁化ゼオライトからセシウムが溶出する条件についても検討を行なった。その結果を基に、実際の汚染土壌を用いた実験を行なったところ、ほぼ模擬土壌と一致した結果が得られた。また、磁化ゼオライトの代わりに除染シートを用いる方法についても検討を行なった。
しかし、磁化ゼオライトを用いる磁選による除染方法について、福島の中小企業との打ち合わせなどの結果、特に磁選機の製造のコストの問題が解決できないため、実用化を進めることが困難であることが示され、さらなる検討が必要である。一方、より簡便で安価な方法として除染シートを用いる方法について企業も交えて検討を進め、セシウム吸着性能および機械的強度も優れた除染シートの試作に成功した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゼオライトに関する選択性の試験を行い、モルデナイトが優れていることを明らかにした。また、珪藻土からの人工合成や、土壌除染を行なう場合の溶出助剤の条件や、吸着したセシウムを磁化ゼオライトから溶出・濃縮する条件について方法を確立することができた。
しかし、実際の応用では、コストの問題をクリアーすることができず、さらなる検討が必要である。一方、除染シートについては吸着性能および機械的強度の優れたシートの試作品を完成させることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究において、ゼオライトのうち最も放射性セシウムに対して選択性の高かったものはモルデナイトであり、その人工合成および磁性化を行ない、淡水中でのセシウム吸着後の磁場回収実験を行ない、９０％以上の除染性能を得ている。しかし、土壌除染の実用化に向けての磁場回収機の開発に関しては、実際に用いた場合の生産および運転コストを考慮した場合困難であり、さらなる検討が必要である。
本年度の研究は、特に汚染水からの除染を目的として磁化ゼオライトの開発を行なう。また、吸着したセシウムについて、溶出助剤により溶出させ乾燥により濃縮する方法および、焼成により焼き固め封じ込める方法ついて検討を行なう。
一方、実用的な方法はゼオライトのシート化であり、昨年度企業の協力を得て試作品を作製したところ、ゼオライトの露出した回収性能が優れ、かつ機械的強度が優れた除染シートの開発に成功した。本年度は、その製品についても現地福島における、土壌除染効果についての検討を行なう。
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