2014 Fiscal Year Annual Research Report
実用領域のイオン伝導性を示す2価カチオン伝導性固体の創製
Project/Area Number |
26248058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今中 信人 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30192503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 真治 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80379122)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 固体電解質 / マグネシウム / カルシウム / ナシコン型構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高いイオン伝導性を示す2価カチオン伝導体の開発を目指し、結晶構造に三次元網目構造を有するナシコン型構造を選択し、伝導イオン種にはMg2+イオン、Ca2+イオンを選択した。 Mg2+イオン伝導体に関しては、これまでに報告されていたMg2+イオン伝導体と比較して中低温域で高いイオン伝導性が達成できた。また、固体中におけるMg2+イオン伝導を実証するため、種々の方法により、電子伝導性の有無、酸化物イオンや他のカチオンが伝導している可能性を検証した結果、合成した試料はいずれもMg2+イオンのみが伝導していることを定性的に明らかにした。さらに、直流電圧を印加して試料中を通過した電荷量がMg2+イオン伝導に利用された割合からMg2+イオン伝導を評価した結果、試料中をMg2+イオンが伝導していることを定量的にも実証することができた。 さらに、ナシコン型構造中におけるMg2+イオン伝導には、他の構成元素(イオン)の種類やサイズが大きく影響を与えており、母体結晶の格子サイズが大きすぎても、小さすぎてもイオン伝導性が低下すること、つまり、Mg2+イオン伝導に最適な格子サイズが存在することが判明した。 一方、Ca2+イオン伝導体については、当初の予想に反し、Mg2+イオン伝導体とは異なりナシコン型構造単相試料が得られなかった。Ca2+のイオン半径の観点からは単相試料を得ることは可能と考えられることから、今後の継続課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、アルカリ土類金属イオン全般について、これらを伝導イオン種とした固体電解質の開発およびイオン伝導性の向上を目的としていたが、伝導イオン種としては、Mg2+およびCa2+イオンのみ開発を行った。 イオンの種類としては半数しか進んでいないが、Mg2+イオン伝導体については当初の予定よりも進んだ研究成果が得られており、研究全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Ca2+イオン伝導体に関する研究の継続、2価の遷移金属イオンを伝導イオン種とする固体電解質の開発を行う。 これには、平成26年度に行ったMg2+イオン伝導体開発で得た知見が活用できる。
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