2015 Fiscal Year Annual Research Report
原料間歇同期投入を伴う任意波形変調熱プラズマを用いた高純度ナノ粒子の革新量産技術
Project/Area Number |
26249034
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 康規 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90303263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 達夫 金沢大学, サステナブルエネルギー研究センター, 准教授 (00324450)
上杉 喜彦 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90213339)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 熱プラズマ / 気相反応 / 酸化物 / 金属イオンドープ |
Outline of Annual Research Achievements |
《平成27年度》 3. スペクトル観測による変調熱プラズマ状態把握 原料を変調同期投入する状態における熱プラズマに対し一次元ICCD+分光器によりおもに可視光におけるスペクトル強度の時間変化を測定し,原料蒸気Ti, O励起原子, TiO分子挙動の変調波形依存性およびその変化を測定し,これら粒子の輸送を検討した。さらに原料同期投入する遅延時間を変更し,スペクトル強度への影響を検討した。 4.5. 変調熱プラズマによるナノ粒子生成試験 Ar-O2 変調熱プラズマにAl+Ti原料を10 g/min以上で大量投入し,Al-doped TiO2ナノ粒子の生成を試みる。変調条件を一定(Duty=80%, 変調率70-80%,変調波形は矩形波)とした。原料投入で間歇の有無で生成ナノ粒子の特性に相違が出るのかを探った。生成粒子を,SEM, XRD,TEM/EDX, XPS, BET,分光光度計により測定し粒径分布,結晶,組成,ドープ量,吸光特性,分散性を分析した。さらに紫外線遮蔽特性,UV,可視光照射時の活性酸素種発生の抑制効果を検討した。さらに原料変調投入タイミングに遅延を導入し,その影響を調査した。 6.原料間歇供給したAr-O2変調熱プラズマにおけるTiOスペクトル二次元観測とTi, TiO輸送現象の把握 Ar-O2プラズマに原料Ti+Al粉末を投入するとTi,Alが蒸発し,酸素と結合してTiO2の前駆体TiOを気相で生じる。これを2次元イメージング分光器を用いた分光観測から,TiOの生成タイミング・生成場所とその輸送現象を把握することを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は,まずは主にナノ粒子生成時における熱プラズマトーチ内の性状把握を目的としてスペクトル観測を行った。原料を変調同期投入する状態における熱プラズマに対し一次元ICCD+分光器によりおもに可視光におけるスペクトル強度の時間変化を測定できた。原料蒸気Ti, O励起原子, TiO分子挙動の変調波形依存性およびその変化を測定でき,これら粒子の輸送を検討した。さらに様々な変調条件のAr-O2 変調熱プラズマによりナノ粒子生成実験を行い,変調条件依存性に関するデータを取得できた。また原料間歇供給したAr-O2変調熱プラズマにおけるTiOスペクトル二次元分光観測を改めて行い,TiO分子生成とTiO輸送現象の一端を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,研究計画書にあるとおりに進めながら,加速できるところは加速していく。研究の具体的内容には,様々な条件における金属イオンドープナノ粒子の大量生成を試みつつ,その際の熱プラズマ中における原料粉体蒸発過程と分子形成過程を二次元スペクトル観測から詳細に明らかにしていく。これによりナノ粒子大量生成のための原料供給のタイミング・量の最適化,変調条件の最適化を行ってさらに行っていく。
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