2015 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮センシングと最適空間サンプリングによる地雷検知用レーダ・イメージングの効率化
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26249058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 源之 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (40178778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 潤 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 教授 (30290696)
高橋 一徳 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (60431475)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CS / 圧縮センシング / 人道的地雷除去 / 地中レーダ / GPR / GB-SAR |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 人道的地雷除去用センサの実展開:カンボジアにおけるデュアルセンサALISを利用した実地雷原での除去活動は引き続きカンボジア地雷除去センターCMACとの協力で実施している。2015年4月にはJICAが主催したシンポジウムにおいて、ALISの現地活動を紹介し、今後のラオスなどで展開される地雷除去、不発弾除去への技術的な協力に関しても議論した。 (2)地滑りのモニタリングへのGB-SARの利用:我々は2012年6月より宮城県栗原市荒砥沢に設置するGB-SAR装置で地滑りモニタリングを開始し、継続したデータ取得と早期警戒システムについて栗原市と事業を継続している。 (3)データサンプリング密度の検討:GB-SAR を利用した最適サンプリング手法の開発:SARにおいて、いかにナイキスト定理の制限を超えた、疎なデータサンプリングにより同等の画像再構成が可能かについて、データ取得と再構成がより簡便な地表設置型合成開口レーダ(GB-SAR)とGPRを利用した模擬実験と、アルゴリズムの開発を行った。通常のサンプリング密度で取得したデータを利用して、ダウンサンプリングすることでデータの間引きを行っても、適切な条件の下では画層解像度の著しい劣化の無いことを確認した。更に2次元的に配置したアレイ型レーダを利用して、同様にナイキスト限界を満たさないサンプリングでも画像化が可能なことを示した。スパースアレイの考え方に結びつく成果である。 (4) GB-SAR のCS法によるイメージング:GB-SARで取得したデータに対してCSを適用し、解像度が向上する結果の得られることを確認した。 (5) 地雷検知センサALISへのCSの利用:GPRへのCSの適用を進めているが、クラッタが大きい状況で、CSが有効に働く条件を見いだす必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
CSアルゴリズムに関して、GB-SARとGPRの実データへの適用を積極的に図り、CSの有効性検証を進めている。特に、クラッタが比較的小さいGB-SARに関しては、屋外で数百m程度の範囲のデータに対して、CSによるイメージングが成功したのが大きな成果である。GPRはクラッタが大きいため、CSの安定した動作の確認が必要である。ある程度の条件下では安定した結果が得られるようになっており、今後の進展に期待ができるところまできた。更に本年度は2次元的にアンテナを配列したレーダシステムを開発し、スパースアレイ・レーダの原理実証実験を行った。予想通りの3次元イメージが得られたことが大きな成果である。カンボジア地雷除去活動はカンボジア地雷除去センター(CMAC)と協力し、現地活動を継続している。JICA、外務省などとも定期的に活動の情報交換を行っている。 以上、全体の研究計画は、既に疎なレーダ計測データから質の高いイメージ再構成に成功しており、2年目として当初計画を上回る進捗をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
GB-SAR装置を利用した多様な計測に、本研究で開発したアルゴリズムを適用し、検証を進める。干渉計測を行うような同条件を繰り返し計測する場合、CSの利用で問題となるCSに利用するパラメータを一度決定すればいいので、適合性に優れていると思えわれる。またCSを利用することで高解像度のSARデータを高速に得られることから新しい次元の高速干渉SARを実現できる可能性がある。 カンボジアにおける地雷除去活動は、計測装置の技術メンテナンスに合わせて、レーダ装置の小型化を図っていく。また現地での実地雷除去活動に合わせたデータ計測とその解析を継続する。データ取得の効率化と改良されたアルゴリズムの利用により、地雷検知の精度を向上させると共に、実環境での動作検証を進める。 アレイ型地中レーダ「やくも」を利用した舗装体計測で、CSを利用した舗装体状態の把握など、イメージングに留まらない利用を計画していく。
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[Presentation] 電波科学と防災・減災2015
Author(s)
佐藤 源之
Organizer
ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2015
Place of Presentation
東京ビックサイト(東京都江東区)
Year and Date
2015-05-29 – 2015-05-29
Invited
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