2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26249062
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井村 順一 東京工業大学, 工学院, 教授 (50252474)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 朋久 東京工業大学, 工学院, 准教授 (30432008)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 制御理論 / ネットワーク / モデリング / バイオネットワーク / 交通ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで研究成果を踏まえて,引き続き,1.大規模ネットワーク系の可制御ネットワークモデル抽出のための基本解法の拡張と大規模計算に向けた検討,および,2.バイオネットワークモデル,交通流ネットワーク制御モデルそれぞれに特化した基礎理論検討,について実施した.具体的には下記のとおりである. 1.これまで開発してきた,可制御ネットワークモデル抽出の基本解法を制御系設計モデルの視点から見直し,ネットワークの各サブシステムの多次元化や非線形化に対して、その制御性能の観点からの解法について検討した. 2.バイオネットワークモデルでは,これまで開発してきたポジティブ2次システムという一般的非線形モデルを用いて,近似線形化することなく上記の1の手法を適用する課題に取り組んだ.そのため,まず,モデル近似誤差を示す評価値としてL1ノルムを利用することとし,さらにバイオ特有の入力信号に注目することで,評価用の入力を制限し計算の効率化を行った.つぎに,バイオネットワーク系の一つである23次元EGFR信号伝達系に適用し,小規模ではあるが,おおむね当初予定された結果が得られた.また本モデルをオブザーバ設計に適用し,その有効性を検討した.一方,交通ネットワーク制御モデルでは,車ー車間通信や車ーインフラ間通信などで通信できない車が含まれる交通量の状態推定に関する手法を開発するとともに,ヒューマンドライバーによる車と自動運転の車が存在する場合の交差点上での自動交差を可能とする信号機制御の一手法やネットワーク上の通信路を想定したイベント駆動型の適応制御手法について開発した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も引き続き,多面的な視点から複雑かつ大規模なネットワークシステムモデルの特性を調べ,バイオや交通流ネットワークを例にして問題設定や解法などの基本的な枠組みを構築することが目的であった.特に,可制御ネットワークモデル抽出のための非線形化に関してはその実現の困難さをバイオネットワークモデルの数値的な観点から検証できた.今後はこの検証をもとに,非線形化への方向性を探る予定である.交通流ネットワークモデルの簡略モデルによる状態推定に関しては非常に良好な結果が得られている.以上,非線形化に関してはやや課題が残るものの,概ね予定通りに研究が進展していると考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,最終年度として、昨年度までに開発してきた大規模かつ複雑なネットワーク系の可制御ネットワークモデル抽出の解法を総括する。また、バイオネットワーク系で提案したポジティブ2次システムや,交通流ネットワーク系で提案している制御モデルにおける有用性を非線形性への対処法も含めて様々な視点から総括する.
|
Research Products
(6 results)