2015 Fiscal Year Annual Research Report
人間型ロボットハンドの手全体の力覚提示によるマスター・スレーブシステムの研究
Project/Area Number |
26249063
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川崎 晴久 岐阜大学, 工学部, その他 (40224761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 哲也 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40418728)
山田 貴孝 岐阜大学, 工学部, 教授 (00273318)
上木 諭 豊田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50467213)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2017-03-31
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Keywords | 遠隔操作 / 人間型ロボットハンド / ハプティックインターフェイス |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)複合型ハンドハプティックインターフェイスの構成法: 複数箇所での力覚提示による受容特性の結果をもとに、複合型ハンドインターフェイスを試作し、バーチャルリアリティ環境での物体の把持、操り等の操作環境を構築した。 (2)高精度多点接触点・接触力のセンシング構成法: ロボットハンドの指腹部と掌部の接触点位置と接触力を高精度に多点計測可能な触覚センサを試作し、その特性を評価した。その結果、物体の把持力、接触点の滑りを検出できることを確認した。また、触覚センサ情報による指先や指腹部の力制御も実現した。また,スレーブ側のカメラで取得した対象物形状について,マスター側のユーザに適切な把持位置を提示することを目的に、二次元対象物の最適な把持位置を算出する手法を構築した。指先位置、指先力、曲率、関節ばね剛性から把持の剛性行列を導出し、把持位置と安定性の関係を偏微分であらわし、繰返し計算により最適な把持位置を得た。得られた把持位置は人間の直感に近い結果であることを確認した。 (3)マスター・スレーブ制御における力覚の知覚特性の評価: マスター・スレーブ制御では、スレーブハンドの位置姿勢をマスター側の多指ハプティクスハンドの位置姿勢とすると、操作者が違和感を感じることが判明した。そこで、スレーブハンドの位置姿勢を操作者の手の位置・姿勢とする制御法を開発した。今後、両者の知覚特性の差異を検証する。 (4)安全・確実な操作を支援するマスター・スレーブシステムの構成法の開発: 操作ミス検出システムの精度向上のために、操作ミス検出装置の改良を行なった。他方で、スレーブ側の危険操作検出システムの情報を用いた干渉抑制制御手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究でのキィーデバイスである指腹部力覚デバイスが、信頼性に欠けるため、その改善に多大の時間を必要とした。また、遠隔操作においてスレーブハンドの位置・姿勢をマスターの位置・姿勢としていたが、違和感があることが判明し、そのための改良を必要とした。現在は、これらを改善を図ったが、知覚特性の評価において若干の遅れが生じている。しかし、今年度中には、当初の目標を達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は次の課題を実施する。 (1)複合型ハンドハプティックインターフェイスの構成法: 前年度に実施した多点接触における力学の受容特性と操作性の評価を基に、複合型ハンドハプティックインターフェイスの改良を図る。 (2)物体の物理パラメータのアクティブセンシング: スレーブハンドの接触状態(接触点位置、接触力、接触の種類)をマスター側のユーザに視覚的に提示することを目的に、触覚センサを用いたアクティブセンシングにより視覚情報だけでは推定不可能な物体の局所的な形状、剛性、粘性等の物理パラメータをリアルタイムで推定し、実機による対象物体の把持・操作によりその有効性を定量的、心理的に評価する。 (3)指腹部・掌の力感覚によるマスター・スレーブ制御の改良: 前年度計測した力覚特性に基づき、マスター・スレーブ制御法を主観的感覚に基づき改良し、指腹部・掌の力感覚によるマスター・スレーブ制御を実現する。また前年度までに開発したハプティックインターフェイスおよびロボットハンドを用い、遠隔操作の評価を行う。 (4)安全・確実な操作を支援するマスター・スレーブシステムの構成法: 前年度までに開発したシステムをマスター側とスレーブ側に統合する構成方法を開発する。統合したシステムにおいて、緊張状態においても安全・確実な操作を支援するシステムとなったかを有効性を定量的、心理的に総合評価する。
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