2016 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロコンピューティングと超高詳細モデルによる地震・津波外力想定高度化手法の開発
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26249066
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市村 強 東京大学, 地震研究所, 准教授 (20333833)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヘテロコンピューティング / 地震・津波 / 超高詳細モデル / 解析手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
地震外力生成過程・津波外力生成過程を,最新の観測事実を反映した超高詳細モデルで解析可能な手法の開発を目的としている.この開発により,最新の観測事実をより反映した合理的な地震・津波外力想定が可能となると期待される.しかし,超高詳細モデルを用いた解析コストは莫大であり,従来のアプローチでは解析が難しいため,簡単化されたモデルを用いて,地震・津波外力想定が行われている.この解析コストを軽減することで,超高詳細モデルを用いた超多数回解析を可能とするコア技術の開発を行っている. 本年度は,昨年度から開発しているヘテロコンピューティング用高速反復ソルバーの高度化を行い,ヘテロコンピューティング環境上で高効率な求解が可能なソルバーを構築した.これまでに開発した超高詳細モデルを用いた有限要素モデル構築手法により構築した超高詳細有限要素モデルとこのソルバーを組み合わせることで,超多数回解析を実現し,震源の曖昧さを考慮した地殻変動解析を実現した.具体的な適用例として,琵琶湖西岸断層帯を含む240 km × 240 km × 300 kmの領域の地殻データを用いて4.2億自由度の有限要素モデルを構築し,10000通りの異なる断層すべりシナリオに対する地殻変動解析を行った.これらのすべての断層すべりシナリオによる地殻変動解析により得られた地表面変位応答を評価し,地殻変動性状・断層すべりの曖昧さの影響を検討し,本手法の有効性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ヘテロコンピューティングを実施する上で,コアカーネルの高度化が肝となるが,この高度化で大きな進捗があった.この進捗を踏まえて,ソルバー全体の性能が向上しつつあり,結果的に大規模問題を高速に解くことが可能となりつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの成果を引き継ぎ,研究計画にしたがい,研究をすすめていく.
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Research Products
(6 results)