2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26249081
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉本 洋 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20234544)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 智哉 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20402662)
藤本 利昭 日本大学, 生産工学部, 教授 (30612080)
櫻井 真人 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (60710184)
眞田 靖士 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80334358)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | CES構造システム / 有開口耐震壁 / スラブ付き梁 / 構造性能評価 / 静的載荷実験 / 復元力特性モデル / 試設計建物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、鉄骨と繊維補強コンクリートのみで構成される鉄骨コンクリート(Concrete Encased Steel:以下、CES)構造システムを対象とした時刻歴地震応答解析による動的耐震性能評価法の開発、並びに袖壁付CES柱、有開口CES耐震壁及びスラブ付CES架構等の構造性能の検討と復元力特性モデルの構築を目的としたものである。 平成27年度は、有開口CES耐震壁及びスラブ付CES梁の構造性能評価に関する研究と12層CES造建築物の試設計を行った。 有開口CES耐震壁に関する研究では、中高層壁フレーム建築物における連層耐震壁の下部2.5層を想定した実大の約1/3スケールの試験体2体を用いて、開口位置を変数とした静的載荷実験を実施し、破壊性状、終局強度及び復元力特性に及ぼす影響を検討した。なお、開口位置は1層及び2層共に同一方向に偏在したもの(偏在開口壁)と1層と2層で逆方向に偏在したもの(対角開口壁)とした。実験の結果、(1)偏在開口壁の最大強度は、対角開口壁のものと比べて正載荷及び負載荷共に低下すること、及び(2)対角開口壁の2層境界梁は、偏在開口壁のものに比べて大きな引張応力が生じ、せん断応力伝達に有効に作用していること、などを明らかにした。 スラブ付CES梁に関する研究では、中高層建築物の低層部の梁を想定した約2/5スケールの試験体2体を用いて、内蔵鉄骨とスラブ間のスタッドの有無が耐力と変形性状に与える影響を調べるための静的載荷実験を実施した。その結果、スタッドを配した梁は、配さないものに比べて、最大強度時以降の耐力低下が少なく、安定した紡錘型の履歴性状を示すことなどを明らかにした。 試設計では、これまで検討してきた柱、梁及び耐震壁の復元力特性モデルの適用性を検討するために、12層の壁フレーム構造のCES建築物を設計対象とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、有開口CES耐震壁及びスラブ付CES梁の構造性能評価に関する研究と12層CES造建築物の試設計を行うことを目的としたが、いずれの研究も概ね当初計画通りに進んでおり、所定の成果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降は、平成27年度に実施した有開口CES耐震壁及びスラブ付CES梁の構造性能評価に関する研究を継続すると共に、試設計した12層CES壁フレーム建築物に対する時刻歴地震応答解析及び静的非線形荷重増分解析を実施し、平成27年度までに構築したCES柱、梁及び耐震壁の復元力特性モデルの妥当性を検証する。さらに、これらの研究成果に基づいてCES造建築物の動的耐震性能評価法を開発する。
|
Research Products
(5 results)