2016 Fiscal Year Annual Research Report
超顕微材料科学とマイクロ・フラクチャーメカニクスの融合による破壊靭性研究の革新
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26249106
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
東田 賢二 佐世保工業高等専門学校, その他, 校長 (70156561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 將己 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40452809)
森川 龍哉 九州大学, 工学研究院, 助教 (00274506)
定松 直 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (10709554)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機能・構造材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「超顕微構造解析」と遮蔽転位理論に基礎を置く「ミクロ破壊力学」とを融合し,破壊靭性及び 脆性―延性遷移(BDT)制御のための指導原理を確立し,そのBCC 金属への応用を図る.本研究では分光結像法を用いた超高圧電顕トモグラフによる極厚針状結晶の亀裂先端遮蔽転位群の空間分布の可視化,収差補正HAADF-STEM (高角度散乱-走査透過電顕法)による格子歪直接計測に基づく亀裂先端局部応力緩和状態の定量化,亀裂-転位間相互作用,離散型転位動力学に依拠するミクロ破壊力学に基づく観測結果のモデル化を行い,BDT基本因子を抽出,その制御指針を確立する.
本年度は,転位動力学法を用いた亀裂先端転位運動挙動を明らかにする際に必要となる物性値の取得を試みた.具体的にはTi添加極低炭素鋼における0.2%耐力の温度依存性及び活性化体積の温度依存性を測定した.0.2%耐力は温度の上昇と供に低下し,室温以上でほぼ一定となった.この一定となった値を非熱的応力と定義し,各温度における0.2%耐力からその値を減じて有効応力の温度依存性を求めた.一方活性化体積は,極低温では温度依存性がほとんど見られず,その絶対値はこれまでに報告されているパイエルス機構における活性化体積とほぼ同じであった.活性化体積の値は変形温度の上昇と供に上昇した.これらの結果を基に活性化体積と有効応力の関係性を明らかにした.この関係性は来年度実施する亀裂先端転位近傍の離散形転位動力学法における転位易動度を決めるパラメーターとして利用する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転位動力学計算で必要とする転位易動度に関するパラメーターを取得できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,転位動力学計算を用いた亀裂先端転位挙動のシミュレーションを行う.
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 単結晶マイクロ試験片を用いた力学特性評価2016
Author(s)
カロカロハルナス, 藤崎基, 田中將己, 森川龍哉, 東田賢二,
Organizer
日本金属学会九州支部・日本鉄鋼協会九州支部・軽金属学会九州支部平成28年度合同学術講演大会
Place of Presentation
九州大学
Year and Date
2016-06-11 – 2016-06-11
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