2014 Fiscal Year Annual Research Report
分子内水素移行型水素化分解反応を活用したバイオマス化成品合成
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26249121
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
冨重 圭一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50262051)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 触媒 / バイオマス / 水素化分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
基質としてモデル化合物である2,4-ペンタンジオールを用いて反応を行い、生成物として2-ペンタノンの生成量を評価した。シリカ担持貴金属触媒を用いて反応を行ったところ、Rh触媒が2-ペンタノンへの選択率が、Pt, Ru, Irなどと比較して高いことが分かった。そこで、Rh触媒の表面修飾剤として、Mo, Re, Wなどを検討したところ、これらの添加物はいずれも高い選択率を維持したまま、活性が顕著に向上することを見出し、特にMoが有効であることを明らかにした。重要なこととしては、Rh単独、Mo単独触媒と比較して、Rh-MoOx触媒が高い性能を示すことであり、これは、高い触媒性能がRh, Mo両方の成分のシナジー効果により発現していることを示すものである。RhへのMo添加量は、触媒性能に大きな影響を与え、Mo/Rh比が1/8~1/2程度で添加効果が顕著であった。さらに、触媒反応時間の依存性を検討した。短時間反応の結果において、脱水素生成物である4-ヒドロキシ-2-ペンタノンは、2段階で進む脱水素ー脱水反応による反応中間体として位置付けられるが、この選択率は低転化率の段階においても、高くないことが示されており、2-ペンタノン生成が分子内水素移行型水素化分解反応により生成していることが示唆されている。さらに、反応時間を延ばすことにより、2-ペンタノン収率が92%に到達することも明らかにした。これらをベースとして、エリスリトールや1,4-アンヒドロエリスリトールの反応に対しても、Rh-MoOx触媒の有効性を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、モデル基質を用いた分子内水素移行型水素化分解反応に有用な触媒の開発を目的としており、成果として、Rh-MoOx触媒の有効性を見出すことができた点を踏まえるとおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
見出された開発触媒について、活性点構造や反応機構に関する基礎データをとり考察することと同時に、エリスリトールや1,4-アンヒドロエリスリトールなどのより難易度の高い基質についても有効性を検討する。
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Research Products
(11 results)