2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ、マイクロの多次元構造制御によるX、ガンマ線用透明多結晶シンチレータの創製
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26249147
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳田 健之 九州工業大学, 若手研究者フロンティア研究アカデミー, 准教授 (20517669)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シンチレータ / セラミックス / ガンマ線 / 放射線 / 発光量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ガーネット系を中心として、サンプルの合成、組成および組織分析、光物性、シンチレーション特性の評価を行った。Ce、Pr、Nd 添加した (Y,Gd,Lu)3(Al,Ga)5O12 を検討したところ、Ce 添加 Gd3(Ga,Al)5O12 の特性が最もよく、ガンマ線照射時の発光量は 70000 ph/MeV、蛍光減衰時定数も約 100 ns であった。この理由に関して詳細に調査したところ、マイクロメートルスケールの異相の存在により、そこからエネルギー輸送が円滑に行われているという描像が得られた。二次電子が一種の相中に存在するよりも、幾つかの相に分配されている方が、発光中心までエネルギー輸送される確率が増す可能性があることが示唆される。一方、エネルギー分解能は 662 keV で 10% 程度となった。異相の存在は発光効率は向上させる一方、サンプル全体に及ぶ均一な応答を阻害する為、エネルギー分解能の観点からはよくない模様である。Ce 系以外でも、Pr、Nd 添加ガーネットの検討を行ったが、可視紫外域のシンチレーションに加え、赤外域での発光もかなり強かった。今後は近赤外域での発光強度の定量化が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的は、様々なシンチレータを開発することで、発光量 70000 ph/MeV、蛍光減衰時定数 100 ns、エネルギー分解能 3% であり、前二者に関しては達成できた。今後はエネルギー分解能の向上を目指して研究を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
ガーネット系においては、今後共添加によるバンドギャップ以上の励起準位生成によるエネルギー変換効率制御を行う事で、性能の向上を目指す。一方、当初計画通り、次年度からはセスキオキサイド系ホストの探索を開始する。
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[Journal Article] Development of a compact and fast response detector using an Yb:Lu2O3 scintillator for lifetime sensitive positron emission tomography2014
Author(s)
Y. Taira, R. Kuroda, M. Tanaka, N. Oshima, B. E. O’Rourke, R. Suzuki, H. Toyokawa, K. Watanabe, T. Yanagida, H. Yagi, T. Yanagitani
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Journal Title
JINST
Volume: 9
Pages: C05036
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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