2015 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ、マイクロの多次元構造制御によるX、ガンマ線用透明多結晶シンチレータの創製
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26249147
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柳田 健之 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (20517669)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シンチレータ / セラミックス / ガンマ線 / 放射線 / 発光量 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究においては主として単純酸化物 (sesquioxide) を中心に、そこから一部派生した化学組成に関しても検討を行った。単純酸化物に関しては、微小粉末を得るプロセスを見直したことにより、昨年度報告した一部材料において特性向上に成功した。今年度はこれまでも着手していた重元素系の材料に加え、基礎的な物性を調査する目的の下、MgO、SiO、CaO、Ga2O3 といった比較的軽い物質のシンチレーション特性に関する調査も行った。結果としてSiO、Ga2O3からは10000-20000 ph/MeV 程度の発光量、数ナノ秒の高速な蛍光減衰時定数を観測する事が出来た。そのため今後はこれらの重元素版を検討する。特に Ga2O3 は半導体であるため、バルク体が利用可能、室温で明瞭な光電吸収ピークが観測可能、さらに光電子増倍管の感度波長域で発光する半導体シンチレータは、世界初である。一方で MgO、CaO からはシンチレーション発光は乏しい反面、強い輝尽・熱蛍光と言ったドシメーター用の発光を観測した。これは近年、私が提唱しているシンチレータとドシメーターの相補性に基づく関係であり、放射線計測用の蛍光体 (シンチレータ、輝尽・熱・RPL) の設計指針にとって重要な知見である。また新たな切り口として、フッ化物透明セラミックスシンチレータの開発にも挑戦し、透明セラミック BaF2 シンチレータを得ることが出来た。 これらの酸化物、フッ化物シンチレータに加え、ハライド系シンチレータに関しても検討を行った。世界中で開発競争が盛んである Eu 添加 SrI2 シンチレータを開発したところ、80000 ph/MeV の発光量、662 keV で約 3% のエネルギー分解能を達成した。幾つかのシンチレータを開発したところ、結果として Cs2HfCl6 という新規シンチレータを発見した。当該シンチレータは30000 ph/MeV 程度の高発光量、高速な発光が観測されており、今後研究を進めることで更なる特性向上が可能と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、様々な新規シンチレータを開発し、発光量は 70000 ph/MeV 以上、蛍光減衰時定数は 100 ns 以内、662 keV におけるエネルギー分解能 3% を得る事である。前二点に関しては初年度に達成しており、今期も予定通りに単純酸化物系シンチレータの系統的な探索を行う事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度はガーネット、次年度はセスキオキサイドと計画通りに研究を進めており、来期も申請当初の計画に従い、複合ペロブスカイトの検討を行う。さらに今期に得られたシンチレータとドシメーター的特性の相補性も新たに材料設計指針に組み込むことで、特性の良いシンチレータの開発を目指す。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Scintillation and Optical Properties of Ce-doped Fluoride glass2015
Author(s)
K. Yamanoi, T. Murata, T. Yanagida, Y. Fujimoto, M. J. F. Empizo, Y. Arikawa, N. Sarukura, T. Norimatsu, H. Azechi, S. Fujino, H. Yoshida, N. Satoh, H. Kan
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Journal Title
Sensors and Materials
Volume: 27
Pages: 229-235
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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