2016 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ、マイクロの多次元構造制御によるX、ガンマ線用透明多結晶シンチレータの創製
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26249147
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柳田 健之 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (20517669)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シンチレータ / セラミックス / ガンマ線 / 放射線 / ドシメータ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究においては主として複合ペロブスカイト型化合物を中心に、そこから一部派生した化学組成に関しても検討を行った。具体的にはBa(ZrMgTa)O3に加え、(LaSr)(AlTa)O3を中心に開発を行い、様々な希土類元素を添加する、アルカリ土類金属Mg, Ca, Sr, Ba の微量元素置換、タンタルサイトのニオブ置換等を試行し、合成を試みた。結果として(LaSr)(AlTa)O3からは1000 ph/MeV 程度の発光量、数マイクロ秒の蛍光減衰時定数を観測する事が出来た。一般的な発光中心であるCeを添加した際には、5d-4f遷移に伴う発光を観測する事が出来なかった。この原因としては、Ce3+ の 5d 準位がこれらの物質のバンドギャップとエネルギー的に重なってしまっているため、発光中心までエネルギーが輸送されない為と考えられる。これら複合ペロブスカイトに加え、Re2(Hf,Zr)2O7型物質の検討も行った。ここでReは希土類を表す。これは本来、来年度に行う予定の研究であったが、今期前倒しで一部検討を行った。Biを添加したLa2Zr2O7を作製し、そのシンチレーション特性を計測したところ、Bi3+ の6s-6p遷移に伴うブロードな発光を観測した。発光波長は 600 nm 前後に表れており、蛍光減衰時定数は 1 マイクロ秒程度であった。発光波長が長波長であるため、Si フォトダイオードを用いて評価を行ったが、ガンマ線照射時には明瞭な光電吸収ピークを確認できなかった。シンチレーション発光量の温度依存性を確認したところ、欠陥もしくは自己束縛励起起因と思われるホスト起因の発光とBi3+の発光の温度依存性が逆の方向を示す、熱活性化の様相を確認する事が出来た。発光効率を高めるには、よりシンプルなエネルギー輸送機構を持つ物質の開発が必要であると考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(21 results)