2014 Fiscal Year Annual Research Report
代理親魚技法を用いた遺伝的不妊魚の大量生産法の開発
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26252033
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
吉崎 悟朗 東京海洋大学, その他部局等, 教授 (70281003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 健 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (40336219)
吉浦 康寿 国立研究開発法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (90372052)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メダカ / サケ科魚類 / トラフグ / 不妊魚 / ゲノム編集 / FSH受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝的不妊魚の大量生産を目指し、研究分担者の北野が作成したFSH受容体の突然変異メダカの生殖細胞を突然変異を保持していないメダカ三倍体の孵化仔魚腹腔内へと移植した。なおこれらの移植細胞には、赤色蛍光遺伝子で標識したものを用いた。移植1月後に宿主を開腹し、移植細胞の挙動を観察した結果、観察個体の半数で赤色蛍光を発する移植生殖細胞が宿主の生殖腺へと取り込まれていることを確認した。また、これらの宿主個体を継続飼育した結果、一部の個体が成熟し、配偶子を生産することを確認した。現在これらの配偶子が間違いなく、移植したドナー個体に由来するもの、すなわちFSH受容体に変異を保持している配偶子であるかを確認中である。また、本技法の大型産業種への応用を見据え、CRISPR/CAS9システムでニジマス、ヒメマス、ヤマメのdnd遺伝子の変異導入が可能であるかを検討した。本年度はこれらのRNAを各種受精卵へと導入し、親世代での変異導入効率を解析した。その結果、導入個体の約7割程度の個体で少なくとも一部の細胞において変異が生じていることが確認された。現在これらの変異をホモ化を目指し、個体を飼育中である。 一方、ドナーの新たな候補として、ゲノム編集(TALEN)を利用してLHRノックアウトメダカ系統の作製に成功した。この系統の表現型を解析したところ、XXメスは不妊であったが、XYオスは妊性があることが確認された。今後は、FSHRとLHRのダブルノックアウトメダカ系統を作製し、雌雄両方の妊性を調査する予定である。 さらに、遺伝的不妊トラフグを作出するため、不妊化候補遺伝子を絞り込みを行った。そのうちメダカでの不妊化が確認できているFSH受容体、CYP17a1について、遺伝子欠損体作出に必要なCRISPR/Cas9の標的RNAを設計、合成した。これにより、次の産卵期に向けて準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特段問題はなく、研究は順調に進んでいる。メダカを用いた実験では既に順調に結果が出始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の実験は交配実験が中心になるが、そのための親魚類の調整準備はほぼ完了している。今後は、集約的にこれらの実験魚を飼育していくことで、限られた期間内に成熟誘導を施し、次世代の解析が可能となるように配慮していく予定である。
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Research Products
(6 results)