2016 Fiscal Year Annual Research Report
Epigenetics of trophoblast and embryonic stem cells by a novel histone-glycosylation
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26252052
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
塩田 邦郎 早稲田大学, 理工学術院, 上級研究員(研究院教授) (80196352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣澤 瑞子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60533982)
新井 大祐 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (20624951)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2017-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / ヒストン修飾 / Nアセチルグルコサミン(GlcNAc) / ゲノムダメージ / ゲノム修復 / 栄養膜幹細胞 / 胚性幹細胞 / グルコース感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では栄養膜幹細胞(TS細胞)における新規ヒストンGlcNAc修飾(H2AS40GlcNAc)のゲノム上の標的領域および機能を明らかにすることを目的としている。これまでにH2AS40GlcNAcを特異的に認識するモノクローナル抗体(20B2)の作製に成功しChIP-seq、免疫沈降、免疫組織染色を可能にした。TS細胞に加えマウスES細胞を用いたインフォーマティクス解析と生化学研究が行われ、以下に記すH2AS40GlcNAcの特徴と機能が明らかになった。 (1)グルコース依存性について: ES細胞では経験的に高グルコース培地で飼育されており、低グルコース培地で飼育すると分化能が損なわれる。ES細胞を低グルコース培地で培養し、H2AS40GlcNAc修飾を免疫染色法・ウエスタンブロッティング、ChIP-seq解析を行った結果、低グルコースでH2AS40GlcNAc化が増加することが明らかになった。一方、最終分化を遂げた体細胞(血管内皮細胞など)ではグルコース濃度を上げるとH2AS40GlcNAc化も増加した。 (2)H2AS40GlcNAc修飾はTS細胞では分化に伴い増加する。一方、ES細胞では領域数は大きな変化は見られないが、分化細胞の種類に特有の遺伝子領域が標的になっていることが判明した。 (3)ES細胞を用いたChIP-seq解析から、ゲノムダメージによりH2AS40GlcNAc化が増加し、H2AXおよびH2AZ と共にダメージ部位に集積し、ゲノム修復に関与していることが明らかになった。 本研究で明らかになったヒストンGlcNAc化部位はヒストンH2Aの中で40番目がセリンを含むサブタイプ(H2AS40)に限定している。グルコースを感知して増減するH2AS40GlcNAc修飾がゲノム修復能を有することは哺乳類の進化を考える上で興味深い。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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