2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規グリセロリン脂質の発見とその代謝・生命機能の解明
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26253006
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 雄彦 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50333365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 広樹 秋田大学, 学内共同利用施設等, 助教 (10466740)
江口 賢史 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70457117)
高須賀 俊輔 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90375262)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リン脂質 / がん / 病態モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は最近、①イノシトールリン脂質群(PIPs)の高感度定量技術を独自に開発し、PIPsとして約20年ぶりの発見となる新規PIPsを見出した。また、②生成酵素は同定されながらも、実際に細胞内で検出されたことがなかったホスファチジルグリセロールリン酸(PGP)を蓄積する変異マウスの作出に成功した。これらの成果を展開し、新しい研究分野の開拓と医薬開発の礎となる知見を、世界に先駆けて得る。 ①新規PIPs 研究開始時までに見出していた新規PIPsについては、化合物の合成を試みているが成功しておらず、大きな進展が得られなかった。一方、昨年度の研究で3種類の新規PIPsを同定することに成功した。このうちの1種類(以下nPIP1)については、マウス病態組織内レベルの解析の結果、前立腺癌において有為に上昇することが明らかになった。さらに、興味深いことに、nPIP1は生体試料の有機溶媒を用いた二層分離において、有機層のみならず水層にも分配されることに気付き、実際に、マウス血漿中に存在することを見出した。このことは、従来細胞内のシグナル伝達脂質と認識されてきたPIPsの細胞外機能を示唆するもので、画期的な意義をもつ。nPIP1については、収率は低いものの、化学合成法を確立に成功しており、最適化を進めているところである。 ②PGP 結合タンパク質については、特異的なものを見出すことはできなかった。代謝酵素については、試験管内でPGPを分解する酵素(PLIP以外の酵素)を複数同定したが、培養細胞におけるそれらの発現抑制は、PGPレベルを上昇させることはなかった。PLIP発現抑制によるPGP蓄積を、候補遺伝子の過剰発現が抑制するか否かを検討中である。生理機能については、PGP蓄積に伴う血中IGF-1の減少は遺伝子発現レベルでは説明できず、分泌過程の異常によるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに新規のリン脂質を4種類発見した点、PIPsの細胞外機能という予期せぬブレークスルーを得た点は当初の計画以上の進展である一方、化学合成が遅れている点、PGPの特異的結合タンパク質を同定できなかった点は当初の計画通りの進展が得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたり、実施可能な実験にフォーカスを絞る必要がある。具体的には、27年度に発見し、化学合成の端緒もつかんでいる新規リン脂質の解析に特に重きを置き、特許申請と論文による公表を進める。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Inositol Polyphosphate-4-Phosphatase Type I Negatively Regulates2015
Author(s)
Nigorikawa, K., Hazeki, K., Sasaki, J., Omori, Y., Miyake, M., Morioka, S., Guo, Y., Sasaki, T., Hazeki, ONigorikawa, K., Hazeki, K., Sasaki, J., Omori, Y., Miyake, M., Morioka,
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Journal Title
PLoS One
Volume: 10
Pages: e0142091
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Localizing the lipid products of PI3Kγ in neutrophils2015
Author(s)
Norton L, Lindsay Y, Deladeriere A, Chessa T, Guillou H, Suire S, Lucocq J, Walker S, Andrews S, Segonds-Pichon A, Rausch O, Finan P, Sasaki T, Du CJ, Bretschneider T, Ferguson GJ, Hawkins PT, Stephens L.
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Journal Title
Adv Biol Regul
Volume: 60
Pages: 36-45
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Dysregulated YAP1/TAZ and TGF-β signaling mediate hepatocarcinogenesis in Mob1a/1b-deficient mice2015
Author(s)
Nishio M, Sugimachi K, Goto H, Wang J, Morikawa T, Miyachi Y, Takano Y, Hikasa H, Itoh T, Suzuki SO, Kurihara H, Aishima S, Leask A, Sasaki T, Nakano T, Nishina H, Nishikawa Y, Sekido Y, Nakao K, Shin-Ya K, Mimori K, Suzuki A
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci USA.
Volume: 113
Pages: E71-80
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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